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CHAPTER I. 海上犯罪の現況
我が国周辺海域では、違法薬物の密輸や外国人の不法上陸、密漁等、様々な犯罪行為が発生しています。
薬物密輸入事犯については、依然として、一度に大量の薬物を密輸する事犯が相次いで発生しており、その手口は、海上貨物への隠匿や瀬取りなど、大口化・巧妙化の傾向が続いています。
密航事犯については、船員等が単独で不法上陸する等小口化の傾向が続いています。
さらに、港内海域への廃棄物不法投棄事件、「なまこ」の密漁事件、換金目的で銅線を窃盗した連続台船侵入窃盗事件、中国人による日本漁船を使用した「サンゴ」密漁事件などについて捜査しており、様々な海上犯罪取締りを実施しています。
海上保安庁では、悪質・巧妙な犯罪に対し、巡視船艇・航空機等によるしょう戒、海上保安官による旅客船やターミナルの見回り等により犯罪の未然防止を行うとともに、犯罪発生時には、法と証拠に基づき、犯人の検挙に努めています。
令和7年の海上犯罪の送致件数は、7,722件であり、前年より342件(4.6%)増加しました。送致件数を法令別に見ると、海事関係法令違反が2,941件と最も多く全体の38.1%を占め、次いで漁業関係法令違反が2,840件(36.8%)、刑法犯が661件(8.6%)、海上環境関係法令違反が649件(8.4%)となっています。
海事関係法令違反では、船舶の検査や定員、航行区域等を規定した船舶安全法関係法令違反が1,086件(36,9%)と最も多く、漁業関係法令違反では、漁業権侵害や水産動植物の違法採捕所持販売、無許可操業等のいわゆる国内密漁事犯が2,803件(98.7%)、刑法犯では、過失により船舶を衝突や乗り揚げさせるなどして船舶の往来の危険を生じさせる過失往来危険の罪が462件(69.9%)、過失により船舶を衝突や乗り揚げさせるなどして乗船者を死傷させる業務上過失致死傷等の罪が74件(11.2%)、海上環境関係法令違反では、船舶からの油や有害液体物質の排出等、船舶の不法投棄等を禁止する海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律違反が320件(49.3%)とそれぞれ多く発生しています。
このほか、薬物や金地金の不法輸入(いわゆる密輸)や刃物の不法携帯等を規制する薬物・銃器関係法令違反を164件、不法出入国(いわゆる密航)や不法就労等を規制する出入国関係法令違反を44件送致しています。
海上犯罪送致件数の推移
海上犯罪送致件数
海事関係法令違反の送致件数の推移
刑法犯の送致件数の推移