1.はじめに
海上保安庁は、毎年、海上保安大学校を卒業した専攻科生等に対して、初級幹部として必要な知識・技能の習得、精神力・実践力・統率力の錬成、国際感覚の涵養を目的として、海上保安大学校練習船による遠洋航海を実施しています。
また、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」の実現に向けて、各寄港地における交流等を通じて、海上保安庁のプレゼンス向上を図っています。
2.練習船いつくしまの要目

総トン数:5,500トン
全長:134メートル
3.遠洋航海の概要

4.遠洋航海計画
(1)期間
令和8年5月1日(金曜)~同年7月28日(火曜) 89日間
(2)総航程
約22,000海里(約41,000km)
(3)乗船者
実習生 68名(うち女性17名)
乗組員等 55名
(4)予定寄港地
- ビクトリア、バンクーバー(カナダ)(5/15~5/20)
- サンフランシスコ(アメリカ)(5/23~5/28)
- ホノルル(アメリカ)(6/3~6/7)
- シドニー(オーストラリア)(6/21~6/26)
- シンガポール(7/8~7/12)
- マニラ(フィリピン)(7/16~7/19)
- 東京(7/24~7/25)
5.実習の様子
▶5月21日 日米加海上保安機関合同訓練
カナダ(ビクトリア)沖合において、海上保安庁、米国沿岸警備隊及びカナダ沿岸警備隊の3機関による合同捜索救助訓練を実施しました。
SAPPHIRE26
https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/post-1318.html

日米加合同訓練
▶ビクトリア、バンクーバー(カナダ)(5/15~5/20)
令和8年5月、海上保安大学校練習船「いつくしま」は、海上保安庁の練習船としては約40年ぶりにカナダに寄港しました。 寄港中は、カナダ沿岸警備隊との交流等の各種行事を通じて、カナダとの連携強化及びカナダにおける海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
「いつくしま」による遠洋航海は、乗船実習のみならず、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、各寄港地における海上保安庁のプレゼンスを向上させるために極めて重要な取組でもあるところ、引き続き、各寄港地における交流等を通じて、海上保安庁のプレゼンス向上を図ってまいります。
1. カナダ寄港の概要及び総評
(1)寄港日及び寄港地
5月15日(金)~5月17日(日):ビクトリア
5月17日(日)~5月20日(水):バンクーバー
(2)寄港地における交流行事
- カナダ沿岸警備隊との交流
- 各首長への表敬訪問
- 船上レセプション
(3)総評
カナダ政府は、令和4年(2022年)に「インド太平洋戦略」を公表してインド太平洋地域へのコミットメントを明確に示し、令和6年9月にはカナダ沿岸警備隊砕氷船を横浜に初寄港させるなどの取組を実施しているところ、約40年ぶりとなる海上保安庁練習船のカナダ寄港及び当地におけるカナダ沿岸警備隊等との交流を通じて、カナダとの連携を強化したことは、自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)の実現に寄与するものです。
2026年2月、海上保安庁長官及び駐日カナダ大使は、「海上保安庁‐カナダ漁業海洋省‐カナダ沿岸警備隊間の情報交換の促進に関する協力覚書」に署名し、情報交換の促進を通じて、日加海上保安機関の連携の一層の協力を図ることとしているところ、寄港中におけるカナダ沿岸警備隊との交流は、同協力覚書に定める取組の具体化に寄与するものです。
2. 交流行事及び概要
(1)カナダ沿岸警備隊西部基地司令官への表敬訪問(5月15日)
船長によるカナダ沿岸警備隊西部基地司令官(Derek Moss司令官)への表敬訪問を実施したところ、Derek Moss司令官からは、「カナダ沿岸警備隊は海上安全保障において更なる責任を負うこととなり、現在はその体制を整えているところである。海上保安庁とはそのような点も含めて、今後さらに連携を強化していきたい。ビクトリアからホノルルまでの間、カナダ沿岸警備隊アカデミーの学生に乗船の機会を与えていただいたことに感謝申し上げる。学生同士の交流が今後更に深まることを期待する。」旨が述べられました。


Derek Moss司令官(左から4人目)
(2) 在バンクーバー日本国総領事による歓迎(5月15日)
在バンクーバー日本国総領事(髙橋総領事)に来船いただき、「いつくしま」の寄港を手厚く歓迎いただきました。髙橋総領事からは、「1986年以来40年ぶりとなる練習船の寄港を歓迎する。今回の寄港は、日加両国の友好関係の深化を象徴する大変意義深いものであり、当地の日系社会をはじめ多くの関係者が多くの期待を寄せている。19日には当館との共催で船上レセプションも予定されており、日加友好親善を一層発展させたい。また、海上保安分野における協力関係の発展や次世代を担う実習生の国際感覚の涵養にも大きく寄与するものと考えている。」旨が述べられました。

髙橋総領事(右側中央)
髙橋総領事(中央)
(3) 首長への表敬訪問
① ビクトリア市長(5月15日)
船長によるビクトリア市長(Marianne Alto市長)への表敬訪問を実施したところ、市長からは、「約40年ぶりとなる海上保安大学校練習船の寄港を心より歓迎する。ビクトリアは豊かな自然や歴史的な街並み、美しい港湾景観を有しており、滞在中は是非当地の魅力を体感していただきたい。また、今回の寄港を契機として日本とカナダ、更には海上保安機関同士の交流が一層深まることを期待している。今後も海上保安庁との交流を継続していきたい。貴船のまたの寄港を待ち望んでいる。」旨が述べられました。


Marianne Alto市長(中央)
② ノースバンクーバー市長(5月19日)
船長によるノースバンクーバー市長(Linda Buchanan市長)への表敬訪問を実施したところ、市長からは、「ノースバンクーバーは、古くから国際港湾都市として発展してきた街であり、世界各国から船舶や人々を迎えている。今回の『いつくしま』寄港を心より歓迎するとともに、本市にとって大きな喜びであり誇りに感じている。また、ノースバンクーバー市は、千葉市と55年におよぶ長い姉妹都市関係にあるが、今回の寄港を通じて、海事分野をはじめとする日加両国の交流がさらに発展し、相互の理解と友好関係が一層深められることは喜ばしい。今後も海上保安庁及び海上保安大学校との交流を継続し、『いつくしま』の再訪を心より歓迎したい。」旨が述べられました。

Linda Buchanan市長(右奥)
Marianne Alto市長(中央)
(4) カナダ沿岸警備隊施設見学
① 西部基地(ビクトリア)(5月15日)
カナダ沿岸警備隊の業務概要の説明を受けるとともに、航空機や各種施設を見学することにより、カナダ沿岸警備隊の業務について学びを得ることができました。
② シーアイランドホバークラフト基地(5月20日)
基地における救難体制についての説明を受けるとともに、ホバークラフトや各種施設を見学することにより、カナダ沿岸警備隊の業務について学びを得ることができました。

西部基地(ビクトリア)
シーアイランドホバークラフト基地
(5) 入港歓迎式典・船内見学会(5月17日)
バンクーバー入港時、在バンクーバー日本国総領事館及び現地邦人による歓迎式典が行われました。式典後には、現地日本語補習校や日本語学校で学ぶ子女やその父兄等約180名を招待しての船内見学会を実施し、海上保安庁の業務について広く知っていただきました。

入港歓迎式典
船内見学会
(6) 船上レセプション(5月19日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、また、レセプションの冒頭には、在バンクーバー日本国総領事、日系人コミュニティ代表、カナダ沿岸警備隊西部基地司令官から、それぞれ歓迎のお言葉をいただきました。 実習生は、餅つき・書道などの日本文化をカナダ関係者及び当地に駐在する多数の各国総領事を含むご来賓の方々に紹介するとともに、その方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。

日系人コミュニティ代表挨拶
歓談を楽しむ参加者
6.その他
練習船いつくしまでの実習状況は海上保安大学校公式X、海上保安大学校公式インスタグラムにも掲載しております。

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