1.はじめに
海上保安庁は、毎年、海上保安大学校を卒業した専攻科生等に対して、初級幹部として必要な知識・技能の習得、精神力・実践力・統率力の錬成、国際感覚の涵養を目的として、海上保安大学校練習船による遠洋航海を実施しています。
また、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」の実現に向けて、各寄港地における交流等を通じて、海上保安庁のプレゼンス向上を図っています。
2.練習船いつくしまの要目

総トン数:5,500トン
全長:134メートル
3.遠洋航海の概要

4.遠洋航海計画
(1)期間
令和8年5月1日(金曜)~同年7月28日(火曜) 89日間
(2)総航程
約22,000海里(約41,000km)
(3)乗船者
実習生 68名(うち女性17名)
乗組員等 55名
(4)予定寄港地
- ビクトリア、バンクーバー(カナダ)(5/15~5/20)
- サンフランシスコ(アメリカ)(5/23~5/28)
- ホノルル(アメリカ)(6/3~6/7)
- シドニー(オーストラリア)(6/21~6/26)
- シンガポール(7/8~7/12)
- マニラ(フィリピン)(7/16~7/19)
- 東京(7/24~7/25)
5.実習の様子
▶番外編 各寄港地でのオフショット等

カナダ

サンフランシスコ

ホノルル

シドニー

シンガポール

マニラ

各寄港地にて開催したレセプションでのおもてなし

呉氏(呉市公式キャラクター)も各国を共にしました
▶帰港状況(7/28)

呉に帰港するいつくしま

登舷礼


ご家族等の出迎えに応える実習生
実習生による帰港報告
▶マニラ~呉

搭載艇揚降操船訓練

結索訓練
▶マニラ(7/16~7/19)
令和8年7月、海上保安大学校練習船「いつくしま」は、海上保安庁の練習船としては9年ぶりにフィリピン共和国のマニラに寄港しました。
寄港中は、フィリピン沿岸警備隊(PCG:Philippine Coast Guard)との交流等の各種行事を通じて、フィリピンとの連携強化及びフィリピンにおける海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
1.マニラ寄港の概要及び総評
(1)寄港日及び寄港地
7月16日(木)~7月19日(日)
(2)寄港地における交流行事
- PCG等との交流
- PCG長官等への表敬訪問
- PCG主催歓迎行事及び船上レセプション
(3)総評
我が国周辺海域における情勢がより緊迫化する中、海上保安機関間の連携・協力は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」の実現に向けた法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化にかかる取組の推進に寄与し、地域の平和と安全を支える上で極めて重要です。
海上保安庁とPCGは、これまで巡視船の派遣や練習船の寄港等を通じて協力関係を深めてきたほか、アジア海上保安機関長官級会合や世界海上保安機関長官級会合といった多国間会合の場においても交流を実施しています。
平成29年には、日比海上保安機関の連携・協力関係の強化を目的とした協力覚書に署名し、令和5年にも、海洋状況把握(MDA)に関する情報共有等に関する協力覚書の改定及び付属文書への署名を行い、一層連携を深めています。
こうした中、海上保安庁練習船がフィリピンに寄港しPCGと交流したことは、これまで培ってきた海上保安庁とPCGの協力関係を一層深化させ、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化に向けた取組を推進するものです。
2.交流行事及び概要
(1)PCGによる入港歓迎及び報道対応(7月16日)
マニラ入港時には、PCGの幹部及び音楽隊による手厚い歓迎を受けました。また、入港後には、12社・約40名の現地報道関係者による取材が行われ、船長及び実習生が対応するなど、9年ぶりとなる海上保安庁練習船のマニラ寄港に対する現地の関心の高さを実感しました。


(2)PCG長官への表敬訪問(7月17日)
船長によるPCG長官への表敬訪問を実施しました。
長官からは、「世界の海上保安機関をリードする日本の海上保安庁から『いつくしま』を迎え入れることができ大変嬉しく思う。法の支配による自由で開かれたインド太平洋を守るため、今後更に日本とフィリピンの連携を強めていきたい。」旨が述べられました。

PCG長官(左から2人目)
PCG長官(右から4人目)
(3)PCG首都圏管区本部参謀長への表敬訪問(7月17日)
船長によるPCG首都圏管区本部参謀長への表敬訪問を実施しました。
参謀長からは、「『いつくしま』のマニラ寄港を心より歓迎する。PCGは、海難救助や海上警備をはじめとする多くの分野で海上保安庁から支援を受けており、深く感謝している。2024年にバタン州沖で発生した油流出事故においても支援を受けた。私を含め、日本を第二の故郷と考える職員も多く、今後も平和で安定した海を守るため、更に連携を深めていきたい。」旨が述べられました。

PCG首都圏管区本部参謀長(左)
(4)JICAフィリピン事務所への表敬訪問(7月17日)
船長によるJICAフィリピン事務所次長への表敬訪問を実施しました。
次長からは、「PCGが日本の円借款による巡視船整備を自らの重要なプロジェクトとして捉え、JICA事業への関心を高めている。また、フィリピンは日本と地理的にも心理的にも距離が近い国であり、今後も深く関わり続けることが重要である。」旨が述べられました。

JICA フィリピン事務所次長(右)
JICA フィリピン事務所次長(右手前)
(5)在フィリピン日本国大使館への表敬訪問(7月17日)
船長による在フィリピン日本国大使館次席公使への表敬訪問を実施しました。
次席公使からは、南シナ海情勢への関心や多数の島しょを抱え海難事故が頻発するフィリピンの現状を背景として、PCG支援に対するフィリピン国内の関心が高まっていることが紹介されました。

在フィリピン日本国大使館次席公使(右)
在フィリピン日本国大使館次席公使(右から2人目)
(6)NMC及びPCG巡視船の見学(7月17日)
実習生等は、NMC(National maritime center)及び97メートル級PCG巡視船を見学するとともに、施設及び船内各部の説明を受けることにより、海上関係機関の組織・体制、保有装備及び現場業務について理解を深めました。


(7) PCGとのスポーツ交流(7月17日)
実習生等は、PCG職員とのスポーツ交流を実施しました。机上における意見交換のみならず、バレーボール等の競技を通じて交流することにより、PCG職員と一層親睦を深めることができました。


(8) PCG主催歓迎会(7月16日)
実習生等は、PCG主催の歓迎会にご招待いただき、PCG長官をはじめとする幹部職員から温かいもてなしを受けるとともに、PCG職員との交流を通じて、フィリピンの文化やPCGの業務に対する理解を深めることができました。


(9) 船上レセプション(7月17日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、また、レセプションの冒頭には、駐フィリピン日本国大使やPCG副長官から、それぞれ歓迎のお言葉をいただきました。
実習生は、ご来賓の方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。


▶シンガポール~マニラ

ベトナムMRCCとの捜索救助通信訓練

マレーシア海上法令執行庁との捜索救助通信訓練


研修乗船中の外国海上保安機関職員(インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール)との交流
▶シンガポール(7/8~7/12)
令和8年7月、海上保安大学校練習船「いつくしま」は、シンガポールに寄港しました。 寄港中は、シンガポール警察沿岸警備隊(SPCG:Singapore Police Coast Guard)との交流等の各種行事を通じて、シンガポールとの連携強化及びシンガポールにおける海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
1.シンガポール寄港の概要及び総評
(1)寄港日及び寄港地
7月8日(水)~7月12日(日)
(2)寄港地における交流行事
- SPCG等との交流
- 関係団体等への表敬訪問
- 一般公開及び船上レセプション
(3)総評
海上保安庁とSPCGは、これまで巡視船や航空機の派遣、練習船の寄港等を通じて協力関係を深めてきたほか、アジア海上保安機関長官級会合や世界海上保安機関長官級会合といった多国間会合の場においても交流を実施しています。
令和8年5月には、「海上保安庁とシンガポール警察沿岸警備隊の海上法執行の協力強化に関する協力覚書」を署名し、海上法執行能力の向上、国際犯罪の防止等におけるさらなる連携・強化を図っています。
こうした中、海上保安庁練習船がシンガポールに寄港し、SPCGと交流したことは、これまで培ってきた海上保安庁とSPCGの協力関係を一層深化させ、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化に向けた取組を推進するものです。
2.交流行事及び概要
(1)SPCG長官への表敬訪問(7月8日)
船長によるSPCG長官への表敬訪問を実施しました。
長官からは、「今回、SPCGの訓練生がいつくしまに乗船し、海上保安大学校の実習生等と共同生活を送りながら訓練に参加することは、実務能力の向上に加え、相互理解及び信頼関係を深める大変貴重な機会である。国籍や所属機関の違いを越えて、同じ船内で生活し、同じ訓練に取り組んだ経験は、将来、両機関が協力して任務を遂行する上で重要な基盤になるものと期待している。また、海上犯罪の取締りや海上災害への対応に関する共同訓練、施設の相互見学、職員間の意見交換等を通じて、海上保安庁との実務的な協力関係を一層強化していきたい。」旨が述べられました。

SPCG長官(右から2人目)

SPCG長官(左から4人目)
(2)在シンガポール日本国大使館への表敬訪問(7月10日)
船長による在シンガポール日本国大使館への表敬訪問を実施しました。
大使館臨時代理大使からは、「シンガポールは、多様な民族、文化及び宗教が共存し、国際的な海運、物流及び金融の拠点として発展してきた国である。実習生には、現地の人々との交流を通じて、シンガポールの社会や文化を直接学ぶとともに、日本とシンガポールを含むアジア諸国との歴史的な関係についても理解を深めてほしい。また、国際的な場における意思疎通では、相手の文化や考え方を尊重し、自らの意思を伝えようとする姿勢が大切である。実習生には、身振りや表情も交えながら積極的に交流し、言語や文化の違いを越えて相互理解を深める経験を積んでほしい。」旨が述べられました。

大使館臨時代理大使(中央)
(3)アジア海賊対策地域協力協定情報共有センター事務局長への表敬訪問(7月10日)
船長によるアジア海賊対策地域協力協定情報共有センター(ReCAAP ISC)事務局長への表敬訪問を実施しました。
事務局長からは、「いつくしまのシンガポール寄港を心から歓迎する。ReCAAP ISCの活動に対する海上保安庁職員の派遣及び能力向上支援等の継続的な協力に深く感謝している。こうした日本の支援は、加盟国間の情報共有体制の強化及び地域全体の海上保安能力の向上に大きく貢献している。また、いつくしまがインド太平洋地域を航行し、各国に寄港することは、地域における海上保安庁のプレゼンスを示すとともに、海上犯罪に対する抑止にも資するものである。」旨が述べられました。

ReCAAP ISC事務局長(中央)
(4)シンガポール海事港湾庁海事安全・港湾運用局長兼港長への表敬訪問(7月10日)
船長によるシンガポール海事港湾庁(MPA)海事安全・港湾運用局長兼港長への表敬訪問を実施しました。
MPA海事安全・港湾運用局長兼港長からは、「海上保安庁の練習船がシンガポールに寄港するたびにMPAを訪問し、交流を重ねていることを喜ばしく思う。世界有数の船舶交通量を有するシンガポール海峡の安全を確保するためには、船舶との適切な情報共有及び関係機関との連携、船舶交通サービスに従事する職員の継続的な教育訓練等が重要である。職員の能力向上を図るため、日本の教育訓練に関する知見についても共有してほしい。」旨が述べられました。

MPA海事安全・港湾運用局長兼港長(右手前)

MPA海事安全・港湾運用局長兼港長(右)
(5)SPCG施設見学(7月10日)
実習生は、SPCGの施設を訪問し、業務概要及び海上法執行体制について説明を受けるとともに、各種施設等を見学しました。
また、SPCG主催のランチミーティングに参加し、SPCG職員と食事を共にしながら、海上保安業務、人材育成、船内生活等について幅広く意見交換しました。実習生は、施設見学及びSPCG職員との交流を通じて、海上犯罪の取締り、沿岸海域の警戒、捜索救助等のSPCGの業務について理解を深めるとともに、海上保安機関相互の連携及び人的交流の重要性を学ぶことができました。


(6)MPA施設見学(7月10日)
実習生は、MPA港湾管制センターにおいて、太平洋とインド洋を結ぶ要所であるシンガポール海峡を航行する船舶の交通管理及び航行安全確保に関する説明を受けるとともに、船舶交通サービスに使用される各種設備等を見学しました。
世界の物流・エネルギーの十字路であるシンガポール海峡と、世界有数の船舶交通量を有する港湾における船舶交通管理の実情を学ぶことにより、実習生は、国際物流、とりわけ日本のエネルギー物流を支えるシーレーンの重要性及び航行安全の確保において関係機関が果たす役割について理解を深めることができました。


(7)船上レセプション(7月10日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、レセプション冒頭には、SPCG長官、在シンガポール日本国大使館臨時代理大使からそれぞれ歓迎のお言葉をいただきました。
実習生は、ご来賓の方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。


(8)一般公開(7月11日)
在シンガポール日本国大使館、現地日系団体、SPCG関係者等を対象とした一般公開を実施し、海上保安庁の業務について広く知っていただきました。


▶シドニー(オーストラリア)(6/21~6/26)
令和8年6月、海上保安大学校練習船「いつくしま」は、シドニーに寄港しました。
寄港中は、オーストラリア国境警備隊(ABF:Australian Border Force)との交流等の各種行事を通じて、オーストラリアとの連携強化及びオーストラリアにおける海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
1.シドニー寄港の概要及び総評
(1)寄港日及び寄港地
6月21日(日)~6月26日(金)
(2)寄港地における交流行事
- ABF等交流
- 首長等への表敬訪問
- 一般公開及び船上レセプション
(3)総評
海上保安庁とABFは、平成30年、「海上安全保障分野の協力に関する意図表明文書」に署名し、同分野における人材育成等に関して連携を強化することに合意しました。令和5年には、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、MDAに関する相互の連携・協力を発展させるため、「海洋状況把握(MDA)に関する協力覚書」に署名しています。さらに直近では、ABFが主催する各国海上保安機関職員に対するMDAワークショップに海上保安庁職員を講師として派遣しました。
法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化にかかる取組を推進するにあたり、豪をはじめとした諸外国の海上保安機関との連携・協力がより重要になっている中、海上保安庁練習船がシドニーに寄港し、一連の交流を通じてABFとの連携を強化したことは、日豪の関係の深化のみならず、FOIPの実現に寄与するものです。
2. 交流行事及び概要
(1)ABF College司令官による表敬訪問(6月23日)
ABF College司令官(Claire Halim司令官)による表敬訪問が実施されました。司令官からは、「本日は、ABFと海上保安庁の交流の機会を与えていただき感謝する。今は我々が協力すべき非常に重要な時期だと感じている。若手の幹部を育成し、地域の新たな脅威に共に立ち向かえるようにするためにも、本日の交流は非常に大切なものである。また、ABF職員がシドニーからシンガポールまでの約2週間『いつくしま』に乗船することを通じて、互いの業務や考え方を知り、協力関係を築くことができると考えている。今後もこのような交流を継続していきたい。」旨が述べられました。

Claire Halim司令官(左)
(2)ABF college及びニューサウスウェールズ(NSW)州水上警察との交流プログラム(6月23日)
実習生は、ABF college及びNSW州水上警察との交流プログラムを実施しました。 実習生からは、海上保安庁の業務、海上保安大学校における教育訓練及び「いつくしま」遠洋航海の概要を説明し、ABF college及びNSW州水上警察の各職員からは、各々の任務や組織等に関する説明が行われました。
本プログラムは、各機関が直面する課題や関係機関との連携の重要性について相互 の理解を深めるための有意義な機会となりました。


交流プログラム

実習生によるプレゼン
(3)ニューサウスウェールズ(NSW)州水上警察署長への表敬訪問(6月23日)
船長によるNSW州水上警察署長(David Carlin署長)への表敬訪問を実施しました。署長からは、水上警察の任務、水上警察が保有する船艇等について説明いただくとともに、船長から海上保安庁の任務等を説明することにより、相互の組織の任務等への理解を深めることができました。


David Carlin署長(右)
(4)豪州海軍クッタバル基地司令官への表敬訪問及び献花(6月23日)
船長は、豪州海軍HMASクッタバル基地司令官(Iain Hutchins司令官)同行のもと、豪海軍基地内における戦争慰霊碑への献花を行いました。船長と司令官は、若い世代が自国の歴史を学ぶことにより、現在を大切にし、将来に備えることが重要との認識を共有しました。

Kuttabul Memorialでの献花
Heritage Centerでの献花
(5)ウラーラ市長への表敬訪問(6月22日)
船長によるウラーラ市長(Sarah Dixson市長)への表敬訪問を実施したところ、市長からは、「昨年に引き続き『いつくしま』がシドニーへ寄港したことを大変嬉しく思う。ウラーラ市には行くべき美しい場所がたくさんあるので、シドニー滞在を楽しんでいただきたい。また、ウラーラ市は日本との交流を深めたいと考えており、今後、日本の自治体と姉妹都市になることも検討したい。皆さんに来年もお会いできることを楽しみにしている。」旨が述べられました。

Sarah Dixson市長(中央)
Sarah Dixson市長(左)
(6)在シドニー日本国総領事による業務講話(6月23日)
在シドニー日本国総領事(山中総領事)から、オーストラリア情勢、日豪関係、当地における在外公館の役割等についての講話をいただきました。実習生は、日豪関係の現状及びFOIPの実現に向けたオーストラリアとの連携強化の重要性について理解を深めることができました。

(7)シドニー湾洋上研修(6月23日)
実習生は、ABF college職員による案内のもと、シドニー湾においてABFの洋上訓練環境の見学を実施するとともに、ABF college職員との意見交換を行うことにより、ABFの任務、活動、訓練プログラム等についてより深く学ぶことができました。

(8) 一般公開(6月21日)
シドニー入港後、現地関係者等を対象とした一般公開を実施し、海上保安庁の業務について広く知っていただきました。


(9)船上レセプション(6月23日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、また、レセプションの冒頭には、ABF college司令官、ニューサウスウェールズ州高官、豪州海軍HMASクッタバル基地司令官から、それぞれ歓迎のお言葉をいただきました。実習生は、ご来賓の方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。


▶ホノルル(アメリカ)(6/3~6/7)
交流行事及び概要
(1)在ホノルル日本国総領事による歓迎(6月3日)
在ホノルル日本国総領事(長徳総領事)に来船いただき、「いつくしま」の寄港を手厚く歓迎いただきました。長徳総領事からは、「ホノルルは、太平洋の要衝であり、日米交流の長い歴史を有する地である。厳しい国際情勢の中で地域の海洋安全保障能力の向上は不可欠であるが、今回の寄港や一連のイベントで、日米両国の海上保安機関間の協力が着実に深まっていると心強く感じた。今回の航海・寄港で築かれた友情と絆が今後長きにわたり、より平和で安定したインド太平洋の実現に貢献するものと確信している。」旨が述べられました。

長徳総領事(左) 
長徳総領事による業務講話
(2)米国沿岸警備隊士官学校学長による表敬訪問及び署名式(6月3日)
米国沿岸警備隊士官学校学長(Gregory C. Rothrock学長)による表敬訪問が実施され、また、Rothrock学長は乗船中の米国沿岸警備隊士官候補生とも懇談を行いました。学長からは、「日米海上保安機関士官候補生の交流は将来に繋がる日米関係の象徴である。」旨が述べられました。その後、現地出張中の澤井海上保安大学校長とRothrock学長による教育分野における交流促進に向けた「実施取り決め」の署名式がいつくしま船内で執り行われました。

Rothrock学長(左)澤井大学校長(右)
署名式後の集合写真
(3)米国沿岸警備隊への表敬訪問(6月4日)
船長による米国沿岸警備隊オセアニア管区司令官(Sean Regan司令官)への表敬訪問を実施したところ、Regan司令官からは、「当管区はハワイを含む広大な太平洋を管轄しており、捜索救助、海上安全保障等の各分野において、関係国・関係機関相互の連携が極めて重要である。海上保安庁とは、これまでも共同訓練のみならず実働事案対応により強固な協力関係を築いてきたところであり、今回の『いつくしま』のホノルル寄港と両国校長のホノルルでの会合を契機として、日米海上保安機関の連携を一層強化していきたい。」旨が述べられました。

Sean Regan司令官(右)
意見交換
(4)ハワイ州運輸副局長への表敬訪問(6月4日)
船長によるハワイ州運輸副局長への表敬訪問を実施したところ、副局長からは、「ホノルル港は、ハワイ州の物流、観光、海上交通を支える重要な港湾であり、太平洋地域における交流の拠点でもある。今回、『いつくしま』を昨年に引き続きホノルル港に迎えることができ、大変喜ばしく思う。」旨が述べられました。

意見交換
ハワイ州運輸副局長(中央)
(5)米国沿岸警備隊ホノルル基地施設見学(6月4日)
米国沿岸警備隊ホノルル基地において、巡視船の見学を実施したほか、米国沿岸警備隊員による装備・訓練の展示や同隊員との意見交換を通じて、米国沿岸警備隊が担う法執行、捜索救助、海上安全保障等の任務について理解を深めることができました。


(6)米国立太平洋記念墓地及びえひめ丸慰霊碑への訪問(6月5日)
米国立太平洋記念墓地において献花及び黙祷を捧げ、戦争の犠牲となった方々、また、戦後の日米友好の発展に多大な功績を残されたダニエル・K・イノウエ元上院議員に哀悼の意を表しました。
その後、えひめ丸慰霊碑においては清掃・献花及び黙祷を捧げ、事故の犠牲となった方々に哀悼の意を表しました。
海に携わる者として、平和と安全を守る責務について考える貴重な機会となりました。

えひめ丸慰霊碑
米国立太平洋記念墓地
(7)USSミズーリ記念館への訪問(6月5日)
パールハーバー所在のUSSミズーリ記念館における艦内の見学を通じて、太平洋戦争の歴史、戦後の国際秩序、日米関係の歩みについて学び、現在の日米関係が多くの歴史的経緯の上に築かれていることを改めて認識することができました。


USSミズーリ記念館
(8)船上レセプション(6月4日)
米国沿岸警備隊、日系人コミュニティの方々をはじめ、多くのご来賓を招き船上レセプションを実施しました。レセプションの冒頭には、長徳総領事、澤井海上保安大学校長、Rothrock学長、Sean Regan司令官から、それぞれ歓迎のお言葉や挨拶をいただきました。実習生は様々な現地コミュニティの方々と積極的に交流し、相互理解を深める有意義な機会となりました。




▶サンフランシスコ~ホノルル

天体高度の測定(天文航法)

搭載艇揚降操船訓練


USCGA・CCGAの実習生との交流
※USCGA:米国沿岸警備隊士官学校 CCGA:カナダ沿岸警備隊士官学校
▶サンフランシスコ(アメリカ)(5/23~5/28)
令和8年5月から同年6月までの間、海上保安大学校練習船「いつくしま」は米国に寄港しました。
寄港中は、米国沿岸警備隊との交流等の各種行事を通じて、米国との連携強化及び米国における海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
1. 米国寄港の概要及び総評
(1)寄港日及び寄港地
5月23日(土)~5月28日(木):サンフランシスコ
6月3日(水)~6月7日(日):ホノルル
(2)寄港地における交流行事
- 米国沿岸警備隊との交流
- 関係団体等への表敬訪問
- 船上レセプション
(3)米国寄港の総評
我が国周辺海域における情勢がより緊迫化する中、海上保安機関間の連携・協力は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)」の実現に向けた法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化にかかる取組の推進に寄与し、地域の平和と安全を支える上で極めて重要です。
特に、日米の海上保安機関である海上保安庁及び米国沿岸警備隊は、1948年の海上保安庁創設期から深く交流しており、2010年には、協力覚書「海上保安庁と米国沿岸警備隊との間の覚書」を署名・交換し、様々な機会を通じて、連携・協力を推進してきました。
さらに、2022年には、協力覚書に係る付属文書を署名し、共同オペレーションや合同訓練等のさらなる促進を図っています。
教育分野においては、2023年に、海上保安大学校と米国沿岸警備隊士官学校との間で協力に関する文書を署名し、学術や教育訓練に係る交流を重ねてきました。今回この連携を一段と強化するため、ホノルル寄港中の「いつくしま」において、海上保安大学校長及び米国沿岸警備隊士官学校学長による「実施取り決め」の署名式が行われました。
こうした取組の中、今回の海上保安庁練習船の米国寄港及び交流は、日米の信頼関係の強化、相互理解及び緊密な連携の促進に大きく貢献しました。
また、実習生にとっても、米国の文化、社会、価値観、日系人の歴史等に触れることで、日米両国の関係や多様性への理解を深めることができ、国際感覚の涵養に資する貴重な経験となりました。
2. 交流行事及び概要
(1)入港歓迎式典・船内見学会(5月23日)
在サンフランシスコ日本国総領事館、現地日系団体、現地小学校、米国沿岸警備隊関係者等による入港歓迎式典を開催いただきました。冒頭には、石原首席領事から歓迎のお言葉をいただいたほか、現地よさこい団体の方々から歓迎の踊りを披露いただくなど、心温まる歓迎を受けました。
また、式典にご参加いただいた約160名の方々を対象とした船内見学会を実施し、海上保安庁の業務について広く知っていただきました。

入港歓迎式典
船内見学会
(2)米国沿岸警備隊太平洋方面司令官への表敬訪問
船長による米国沿岸警備隊太平洋方面司令官(Buzzella司令官)への表敬訪問を実施しました。Buzzella司令官からは、「海上保安庁と米国沿岸警備隊との間には、すでにサファイアを通じた強固な信頼関係が構築されている。また、米国沿岸警備隊士官学校の学生がサンフランシスコからシドニーまで『いつくしま』に乗船し、海上保安大学校実習生と航海を共にすることは、将来の日米協力を支える若い世代同士の相互理解を深める貴重な機会である。」旨が述べられました。

Buzzella司令官(左)
Buzzella司令官(左最奥)
(3)サンフランシスコ港長への表敬訪問(5月26日)
船長船長によるサンフランシスコ港長(Michael Martin港長)への表敬訪問を実施したところ、Michael Martin港長からは、「『いつくしま』の寄港を歓迎する。今回の寄港を通じて、次世代を担う人材を育成する練習船の役割が非常に大切であることを理解することができた。『いつくしま』の寄港は、港湾都市サンフランシスコにとっても意義ある機会である。ぜひ来年もサンフランシスコに来てほしい。」旨が述べられました。

Michael Martin港長(左) 
Michael Martin港長(右手前)
(4)サンフランシスコ市への表敬訪問(5月26日)
船長によるサンフランシスコ市Mark Chandler国際部長、Penny Coulter市長付儀典長への表敬訪問を実施したところ、Mark Chandler国際部長からは、「昨年に引き続き、今年もサンフランシスコに来てくれて大変嬉しい。今後も協力関係を深めていきたいと考えているので、ぜひ来年も来てほしい。」旨が述べられました。

Penny Coulter市長付儀典長(左)
Mark Chandler国際部長(左)
(5)米国沿岸警備隊施設見学(5月26日)
米国沿岸警備隊の業務概要の説明を受けるとともに、VTSセンター、ブイテンダーの見学、スモールボートでの港内業務説明、航空基地での業務説明等を通じ、米国沿岸警備隊の業務について学ぶことができました。


(6) 米軍情報部歴史学習センター見学(5月27日)
実習生は、米軍情報部歴史学習センターを見学しました。実習生は見学を通じて、現在の日米友好関係が多くの先人の努力と歴史の上に成り立っていることを改めて認識し、国際的な視野を持って海上保安業務に取り組むことの重要性を学ぶことができました。


(7) 船上レセプション(5月27日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、また、レセプションの冒頭には、在サンフランシスコ日本国総領事や米国沿岸警備隊太平洋方面司令から、それぞれ歓迎のお言葉をいただきました。実習生は、ご来賓の方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。


▶5月21日 日米加海上保安機関合同訓練
カナダ(ビクトリア)沖合において、海上保安庁、米国沿岸警備隊及びカナダ沿岸警備隊の3機関による合同捜索救助訓練を実施しました。
SAPPHIRE26
https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/post-1318.html

日米加合同訓練
▶ビクトリア、バンクーバー(カナダ)(5/15~5/20)
令和8年5月、海上保安大学校練習船「いつくしま」は、海上保安庁の練習船としては約40年ぶりにカナダに寄港しました。 寄港中は、カナダ沿岸警備隊との交流等の各種行事を通じて、カナダとの連携強化及びカナダにおける海上保安庁のプレゼンス向上を図りました。
「いつくしま」による遠洋航海は、乗船実習のみならず、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、各寄港地における海上保安庁のプレゼンスを向上させるために極めて重要な取組でもあるところ、引き続き、各寄港地における交流等を通じて、海上保安庁のプレゼンス向上を図ってまいります。
1. カナダ寄港の概要及び総評
(1) 寄港日及び寄港地
5月15日(金)~5月17日(日):ビクトリア
5月17日(日)~5月20日(水):バンクーバー
(2) 寄港地における交流行事
- カナダ沿岸警備隊との交流
- 各首長への表敬訪問
- 船上レセプション
(3) 総評
カナダ政府は、令和4年(2022年)に「インド太平洋戦略」を公表してインド太平洋地域へのコミットメントを明確に示し、令和6年9月にはカナダ沿岸警備隊砕氷船を横浜に初寄港させるなどの取組を実施しているところ、約40年ぶりとなる海上保安庁練習船のカナダ寄港及び当地におけるカナダ沿岸警備隊等との交流を通じて、カナダとの連携を強化したことは、自由で開かれたインド太平洋(FOIP:Free and Open Indo-Pacific)の実現に寄与するものです。
2026年2月、海上保安庁長官及び駐日カナダ大使は、「海上保安庁‐カナダ漁業海洋省‐カナダ沿岸警備隊間の情報交換の促進に関する協力覚書」に署名し、情報交換の促進を通じて、日加海上保安機関の連携の一層の協力を図ることとしているところ、寄港中におけるカナダ沿岸警備隊との交流は、同協力覚書に定める取組の具体化に寄与するものです。
2. 交流行事及び概要
(1)カナダ沿岸警備隊西部基地司令官への表敬訪問(5月15日)
船長によるカナダ沿岸警備隊西部基地司令官(Derek Moss司令官)への表敬訪問を実施したところ、Derek Moss司令官からは、「カナダ沿岸警備隊は海上安全保障において更なる責任を負うこととなり、現在はその体制を整えているところである。海上保安庁とはそのような点も含めて、今後さらに連携を強化していきたい。ビクトリアからホノルルまでの間、カナダ沿岸警備隊アカデミーの学生に乗船の機会を与えていただいたことに感謝申し上げる。学生同士の交流が今後更に深まることを期待する。」旨が述べられました。


Derek Moss司令官(左から4人目)
(2) 在バンクーバー日本国総領事による歓迎(5月15日)
在バンクーバー日本国総領事(髙橋総領事)に来船いただき、「いつくしま」の寄港を手厚く歓迎いただきました。髙橋総領事からは、「1986年以来40年ぶりとなる練習船の寄港を歓迎する。今回の寄港は、日加両国の友好関係の深化を象徴する大変意義深いものであり、当地の日系社会をはじめ多くの関係者が多くの期待を寄せている。19日には当館との共催で船上レセプションも予定されており、日加友好親善を一層発展させたい。また、海上保安分野における協力関係の発展や次世代を担う実習生の国際感覚の涵養にも大きく寄与するものと考えている。」旨が述べられました。

髙橋総領事(右側中央)
髙橋総領事(中央)
(3) 首長への表敬訪問
① ビクトリア市長(5月15日)
船長によるビクトリア市長(Marianne Alto市長)への表敬訪問を実施したところ、市長からは、「約40年ぶりとなる海上保安大学校練習船の寄港を心より歓迎する。ビクトリアは豊かな自然や歴史的な街並み、美しい港湾景観を有しており、滞在中は是非当地の魅力を体感していただきたい。また、今回の寄港を契機として日本とカナダ、更には海上保安機関同士の交流が一層深まることを期待している。今後も海上保安庁との交流を継続していきたい。貴船のまたの寄港を待ち望んでいる。」旨が述べられました。


Marianne Alto市長(中央)
② ノースバンクーバー市長(5月19日)
船長によるノースバンクーバー市長(Linda Buchanan市長)への表敬訪問を実施したところ、市長からは、「ノースバンクーバーは、古くから国際港湾都市として発展してきた街であり、世界各国から船舶や人々を迎えている。今回の『いつくしま』寄港を心より歓迎するとともに、本市にとって大きな喜びであり誇りに感じている。また、ノースバンクーバー市は、千葉市と55年におよぶ長い姉妹都市関係にあるが、今回の寄港を通じて、海事分野をはじめとする日加両国の交流がさらに発展し、相互の理解と友好関係が一層深められることは喜ばしい。今後も海上保安庁及び海上保安大学校との交流を継続し、『いつくしま』の再訪を心より歓迎したい。」旨が述べられました。

Linda Buchanan市長(右奥)
Marianne Alto市長(中央)
(4) カナダ沿岸警備隊施設見学
① 西部基地(ビクトリア)(5月15日)
カナダ沿岸警備隊の業務概要の説明を受けるとともに、航空機や各種施設を見学することにより、カナダ沿岸警備隊の業務について学びを得ることができました。
② シーアイランドホバークラフト基地(5月20日)
基地における救難体制についての説明を受けるとともに、ホバークラフトや各種施設を見学することにより、カナダ沿岸警備隊の業務について学びを得ることができました。

西部基地(ビクトリア)
シーアイランドホバークラフト基地
(5) 入港歓迎式典・船内見学会(5月17日)
バンクーバー入港時、在バンクーバー日本国総領事館及び現地邦人による歓迎式典が行われました。式典後には、現地日本語補習校や日本語学校で学ぶ子女やその父兄等約180名を招待しての船内見学会を実施し、海上保安庁の業務について広く知っていただきました。

入港歓迎式典
船内見学会
(6) 船上レセプション(5月19日)
多くのご来賓の方々にお越しいただき、また、レセプションの冒頭には、在バンクーバー日本国総領事、日系人コミュニティ代表、カナダ沿岸警備隊西部基地司令官から、それぞれ歓迎のお言葉をいただきました。 実習生は、餅つき・書道などの日本文化をカナダ関係者及び当地に駐在する多数の各国総領事を含むご来賓の方々に紹介するとともに、その方々との交流を通じて、国際感覚を養うことができました。

日系人コミュニティ代表挨拶
歓談を楽しむ参加者
6.その他
練習船いつくしまでの実習状況は海上保安大学校公式X、海上保安大学校公式インスタグラムにも掲載しております。

公式X

公式インスタグラム




















