4月20日に発生した三陸沖の地震後に海底地殻変動観測を実施しました

発表日

令和8年5月1日

概要

 海上保安庁は、4月24日から25日に三陸沖の観測点において海底地殻変動観測を実施しました。その結果、顕著な地殻変動は確認されませんでした。

本文

1 観測概要及び観測点

 海上保安庁は、4月20日16時52分に三陸沖で発生したM7.7の地震に伴う海底の変動を調べるため、三陸沖に設置している「釜石沖1」及び「釜石沖2」観測点において、測量船「昭洋」による海底地殻変動観測を実施しました(図1)。
 これらの観測点は、当庁が保有する観測点の中で今回の地震の震源に最も近く、北海道・三陸沖後発地震注意情報に関連した海溝型巨大地震の想定震源域南端付近に位置しています。

2 観測結果

観測の結果、「釜石沖1」及び「釜石沖2」観測点において、今回の地震に伴う顕著な海底の動き(海底地殻変動)は検出されませんでした(図1及び図2)。

3 観測結果についての説明

 海溝付近のプレート境界に蓄積されたひずみの一部は、海溝型地震発生時に断層のすべりとして解放され、その際、海底を含む陸側のプレートで地殻変動が生じます(図1左下)。
 地殻変動の量は、地震の規模や震源からの距離によって変わります。今回の観測結果では顕著な地殻変動は検出されなかったことから地震による断層のすべりの影響は観測点付近までは達していなかったと考えられます。このデータは、M7.7の地震後に海底において初めて取得した地殻変動の実測値であり、今回及び今後の地震活動の評価に有用な情報の一つとなります。
 今回の結果は次回の地震調査委員会に報告する予定です。


図1 「釜石沖1」及び「釜石沖2」における観測の概要


図2 観測結果(海底の動きの時系列)

桃丸が今回の暫定的な観測結果。橙色の幅は今回の地震前4年間の平均的な地殻変動の傾向を示したもので、幅は上記期間内の観測結果のばらつき(標準偏差の2倍)である。地震前の平均的な動きは、東日本大震災の影響(東北地方太平洋沖地震後の余効変動)と、ひずみが蓄積する状況を含む動き(図1右下、北西方向)となっている。両観測点で、1回の観測精度(水平で±5cm程度)を超えるような地殻変動は検出されていない。

参考 測量船「昭洋」について

【船体要目】
就役年月 平成10年3月
総トン数 3,000トン
全長   98.0メートル
幅    15.2メートル

関連広報 令和7年12月19日広報 「青森県東方沖を震源とする地震後に三陸沖の海底地殻変動観測を実施しました」