領海警備等

 海上保安庁では、創設以来、最も重要な業務の1つとして領海警備に取り組んでいます。領海警備は、我が国の平和、秩序、安全を害する外国からの諸活動に対して、我が国領海内における主権を確保するために行われるものであり、領海内における外国船舶の無害でない航行や不法行為の監視取締りを任務とする警察活動です。

 平成12年には、357隻の不法行為又は徘徊、漂泊する等の特異な行動を行った外国船舶(以下「特異行動船舶」という。)を確認し、このうち不法行為を行った282隻に対しては、警告退去又は検挙、特異な行動をとった75隻に対しては、当該行動の中止要求又は警告退去などの措置を講じました。

不法行為・特異行動船舶の隻数の推移 平成12年の領水侵入船舶(不法行為・特異行動船舶)隻数の状況

1)尖閣諸島を巡る情勢と対応

 尖閣諸島は、沖縄群島西南西方の東シナ海に位置する我が国固有の領土であり、海上保安庁では、同諸島周辺海域に常時巡視船を配備し、また、定期的に航空機をしょう戒させ、関係省庁と連絡を密にして、外国船舶による領海侵犯、不法上陸等に対する警備に当たっています。


尖閣諸島

尖閣諸島位置図

 同諸島を巡る問題は、昭和43年、日本、台湾、韓国の海洋専門家等が、国連アジア極東経済委員会の協力を得て東シナ海海底の学術調査を行った結果、東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性があることを指摘したことが発端となっています。

 昭和46年以降、中国、台湾が公式に領有権を主張し始め、平成8年7月からは、台湾、香港等で「保釣活動」と呼ばれる領有権主張の活動が活発化し、台湾、香港の抗議船が同諸島領海内に侵入する事案が多発しました。今後もこのような抗議活動は続くものと考えられます。海上保安庁では、このような事案に対しては全国から巡視船艇・航空機を動員する等万全な体制で、政府方針に基づき、領海警備を行っていくこととしています。


尖閣諸島をめぐる領海警備

2)外国海洋調査船に対する警備

 我が国周辺海域では、海洋開発に対する各国の関心の高まりや海底資源開発技術の進歩等を背景として、外国、特に中国による海洋調査活動が確認されています。

 我が国は、国連海洋法条約等に基づき、我が国の大陸棚及び排他的経済水域において、外国が海洋の科学的調査を行うことは我が国の同意がない限り認めないこととしています。このため、海上保安庁では、外国海洋調査船等に対し巡視船艇・航空機により監視を行い、我が国の同意がないものに対しては、現場海域において中止要求を行うとともに、外務省等関係機関に速報する等により対処しています。

外国海洋調査船の確認状況の推移・中国海洋調査船の確認状況の推移

 中国はこれまで、我が国と、大陸棚及び排他的経済水域の境界線が確定していないこと等から、我が国の排他的経済水域において、我が国の同意なく調査活動等を行っていました。

 特に平成11年には過去最高の33隻を確認しました。中には我が国の領海内に侵入して調査活動を行った事案も発生しています。平成12年においても24隻を確認する等、中国海洋調査船の活動の活発化が大きな問題となりました。

 このため、平成13年、日中間において東シナ海における相手国の近海で海洋の科学的調査を行う場合は、相互に事前通報を行うことを内容とする海洋調査活動の相互事前通報の枠組みが合意され、同年2月から運用が開始されました。

 この枠組みが運用されて以降、平成13年7月31日までに9隻の海洋の科学的調査を行っている中国海洋調査船が確認されています。このうち4隻(海監49号等)が事前通報と合致しない調査活動を行ったことを海上保安庁の巡視船が確認したことから、これを外務省等に連絡し、外交ルートを通じ中止要求等がなされました。


中国海洋調査船海監49号

3)管轄海域の確定

 国土の面積が狭く天然資源に恵まれない我が国にとって、海底及び海底下の生物資源、鉱物資源及び石油、天然ガスなどは、大変貴重なものです。一方、国連海洋法条約によれば、地形、地質的条件を満足する場合には200海里までとなっている排他的経済水域を超えて大陸棚を設定することができるとなっています。そして大陸棚であることが認められれば、海底及び海底下の資源に対して主権的権利を行使できることとされています。

 200海里を超える大陸棚の認定は「国連の大陸棚の限界に関する委員会」において行われますが、その委員会に対して科学的根拠を示すことで、我が国周辺海域では現行で認められる範囲よりさらに広い範囲の大陸棚が認められる可能性があります。

 海上保安庁では、その根拠を収集するために昭和58年以降大陸棚調査を行っています。この調査のために測量船が航走した距離は、これまで約60万キロメートル(地球15周分)に達しています。

 これまでの調査により、我が国の国土面積の2倍程度の海域について、大陸棚を延長できる可能性があることが判明しています。今後、さらに精密な調査を実施していきます。

大陸棚限界の拡張可能性海域

クリックすると大きな画像がご覧になれます。

戻る 次へ
インデックスページへ