U 国際協力・国際貢献の推進
開発途上にある国や地域の多くにとって、海は国民生活の基盤であり、海の安全確保が重要な課題となっている。また、島国であり海上輸送が極めて重要な役割を担っている日本にとっても、マラッカ・シンガポール海峡のような開発途上地域の海の安全を確保することは我が国の国益の増進に資するものとなっている。
海上保安庁は、世界でも有数の勢力、技術及び知識を有する海上保安機関であり、先進国としての責任を果たすべく、航行安全、捜索救難、海上防災、海洋環境保全、海上犯罪取締りの分野において、開発途上地域の海の安全確保を支援するため積極的に国際協力に取り組んでいる。
また、海の救急救助、防災機関でありかつ船舶・航空機を有するという海上保安庁の特徴を活かし、国際緊急援助活動等の国際貢献も行っている。
1 技術協力
(1) 研修員の受入れ
開発途上国における海上保安業務の充実のため、相手国関係機関職員を対象に、講義、実習、見学により、我が国における最新の理論及び技術の移転を図ることを目的として研修を実施している。
11年度において実施した研修は、第2−9−2表のとおりである。
第2−9−2表 研修員の受入れ実績(11年度)
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(単位:人) |
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国・地域
研修事項 |
ア ジ ア |
アフリカ |
ヨ|ロッパ |
大洋州 |
中近東 |
中南米 |
合 計 |
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バングラデシュ |
中国 |
インドネシア |
大韓民国 |
マレイシア |
モルディブ |
パキスタン |
フィリピン |
スリランカ |
タイ |
ヴィエトナム |
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研修員受入れ実績 |
(集団研修) |
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海洋保全 |
1 |
1 |
2 |
1 |
1 |
2 |
8 |
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救難防災 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
6 |
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水路測量 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
11 |
||||||
|
海洋調査・データ処理 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
8 |
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航路標識 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
2 |
1 |
8 |
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(個別研修) |
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海上航路標識保守技術 |
2 |
2 |
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海難救助・海洋環境保全 |
1 |
1 |
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合 計 |
2 |
2 |
3 |
2 |
3 |
1 |
4 |
6 |
1 |
3 |
4 |
6 |
0 |
1 |
4 |
2 |
44 |
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(2) 専門家の派遣
開発途上国の要請に応じ、その国の実状に適した技術や知識を移転し、人材を育成することを目的として、第2−9−3表のとおり相手国政府に専門家を派遣している。
第2−9−3表 専門家派遣実績表(11年度)
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派 遣 国 |
指 導 科 目 |
延べ人数 |
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インドネシア |
海洋環境保全・捜索救助、特殊な船舶火災消火技術、電波航法システム近代化計画、海上防災技術 |
8人 |
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マレイシア |
海洋データ管理、海洋データ管理セミナー |
3人 |
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フィリピン |
海難救助・航行安全、海上航路標識保守技術、電子海図作成技術指導、海上防災技術、転覆・沈没海難救助 |
13人 |
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ヴィエトナム |
海上航路標識システム |
2人 |
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パラオ |
救難・防災 |
1人 |
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モーリシャス |
水路部設立行政アドバイザー |
1人 |
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パナマ |
海洋汚染防止 |
3人 |
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フィジー |
海図輪郭図作成法 |
3人 |
2 国際緊急援助活動
海上保安庁では「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」に基づき、開発途上地域における大規模な災害に対し、被災国又は国際機関からの要請に応じて日本政府が行う国際緊急援助活動に、積極的に協力している。海上保安庁が行う活動としては、救助活動、応急対策・復旧活動及び船舶又は航空機による輸送活動があり、主要派遣対象要員、船舶及び航空機をあらかじめ指定し、定期的な訓練を行い、迅速かつ的確に実施するための体制を整えている。
11年度は、8月の「トルコ北西部地震災害救済国際緊急援助隊救助チーム」に職員7名を、9月の「台湾地震災害救済国際緊急援助隊救助チーム」に職員13名を派遣した。
3 国際平和協力業務
海上保安庁では、「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」に基づき、本来任務に支障を生じない限度において、海上保安庁の船舶又は航空機等の派遣等により、国際平和協力業務に協力していくこととしている。