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昨年、我が国からの呼びかけで、4月に海賊対策国際会議が、12月には北西太平洋地域海上警備機関長官級会合がそれぞれ開催されました。新世紀を目前にしてこれらの国際会議が相次いで開かれたのは、単なる偶然ではありません。これらの動きは最近の国際情勢の中で、今後海上保安庁が取り組んでいくべき政策の大きな方向性とその第一歩を示したものです。それでは、その背景には何があるのでしょうか。
いわゆる「国際化」が、我が国の経済活動の発展と国民の豊かな生活の実現に寄与していると言われて久しくなりました。この「国際化」という現象を海上保安業務という観点からみても、国際的な取組みは長い歴史を持っています。例えば、捜索救助活動における国際協力や航路標識における国際的な規格の統一はその良い例です。このことは、船舶が世界中を航行することや我が国が海を通じて近隣諸国と接していることなどを考えれば当然のことでしょう。
しかしながら、この「国際化」には、人・モノ・金・情報の国境を越えた動き、国と国との間の利害関係の発生などさまざまな場面があり、その一面で国際犯罪の劇的な増加を伴ってきたことにも目を向けなければなりません。それは、密航、薬物・銃器の密輸、海賊及び船舶に対する武装強盗(以下「海賊」という。)の勃発など多様な形態で現れています。このため、海上保安庁は、これまでの国際的な取組みを大胆に見直し、これまで以上に戦略的かつ重点的に国際的な業務展開を推進していくべきとの方向性を打ち出しました。特に、地域全体として取り組まなければ実効を期待しにくい事案が増加していることから、これまで培ってきた二国間での取り組み(連携・協力関係)を一層深めながら、多国間の取り組み(連携・協力関係の構築)も進めていかなければなりません。その代表例が冒頭に述べた北西太平洋地域海上警備機関長官級会合であり、海賊対策国際会議なのです。
この特集には、こんな背景があったんですね。 |