東太平洋のプレート拡大境界の収縮現象を発見(11年12月)


 海底での精密な距離測定は、地震予知研究にとって重要と認められながらも長く実現できなかった。海上保安庁では、超音波技術を利用して海底面の水平距離を精密に測定する装置の開発を進め、東太平洋の深海底において地殻変動の長期観測に成功した。観測場所は、太平洋の東部を南北に走る東太平洋海膨と呼ばれる海底山脈で、太平洋を2分する2つのプレートの境界に位置する。2つのプレートは互いに離れるように運動するため境界部で海底の拡大が起こる。今回、東太平洋海膨頂部の2か所に音波の送受信機を設置して9年7月から426日間にわたって距離測定を繰り返した結果、2点間の距離が年間3cmの割合で収縮していることが判明し、プレート運動にともなう海底拡大が連続的ではなく間欠的に起こることが明らかになった。収縮のメカニズムは、拡大時に海底に現れた溶岩が海水により冷やされ、熱収縮が起こったと推定されている。

 今回の成果を基に日本周辺の海溝域における地殻変動観測の実現に向けてさらに研究を進めることとしている。

観測の概念図

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