第4章 海難及び人身事故の救助
1 海難及び人身事故の発生状況
(1) 海難の発生状況
11年の要救助船舶は、1,920隻(10年1,726隻)、これに伴う遭難者は7,140人(10年7,840人)で、このうち死亡・行方不明者は146人(10年157人)であった。
(2) 人身事故の発生状況
11年における船舶からの海中転落や船内での負傷、病気等海難によらない乗船者の事故者数は829人(10年766人)で、このうち319人(10年311人)が死亡・行方不明となっている(第2−4−1図参照)。死亡・行方不明者を事故内容別に見ると海中転落が最も多く、次いで病気、自殺となっている。
第2−4−1図 船舶海難によらない乗船者の人身事故の推移

事故者及び死亡・行方不明者の内容別割合

また、11年における海浜事故者数は1,796人(10年1,732人)で、このうち1,136人(10年1,130人)が死亡・行方不明となっている(第2−4−2図参照)。事故の内容別に見るとマリンレジャーに伴う海浜事故の事故者数は800人(10年741人)で、その死亡率(事故者数に対する死亡・行方不明者数の割合)は44%、その他の海浜事故等の事故者数は996人(10年991人)で、その死亡率は79%であった。
第2−4−2図 海浜事故等の推移

事故者及び死亡・行方不明者の内容別割合

2 海難及び人身事故の救助状況
(1) 海難の救助状況
@ 要救助船舶の乗船者の救助状況
11年における要救助船舶の乗船者7,140人の中で、海上保安庁は5,248人(74%)に対して救助活動を行い、これらの救助に出動させた勢力は、巡視船艇延べ2,966隻、航空機延べ711機及び特殊救難隊延べ395人等となっている。このうち、海上保安庁が救助した者は1,953人であり、海上保安庁以外が救助した者を含めると5,317人が救助され(第2−4−3図参照。)、救助率(自力救助を除く要救助船舶の乗船者に対する救助された乗船者数の割合)は97%(10年97%)であった。
第2−4−3図 要救助船舶の乗船者の救助状況(11年)

A 要救助船舶の救助状況
11年における要救助船舶1,920隻の中で、海上保安庁は1,311隻(68%)に対して救助活動を行った。このうち、海上保安庁が救助した船舶は435隻であり、海上保安庁以外が救助した船舶を含めると、1,402隻が救助され(第2−4−4図参照)、救助率(自力入港を除く要救助船舶隻数に対する救助された隻数の割合)は82%(10年84%)であった。
第2−4−4図 要救助船舶の救助状況(11年)

(2) 人身事故の救助状況
@ 海難によらない乗船者の事故の救助状況
11年における海難によらない乗船者の事故者829人の中で、海上保安庁は468人(56%)に対して救助活動を行い、これらの救助に出動させた勢力は、巡視船艇延べ892隻、航空機延べ352機及び特殊救難隊延べ37人等となっている。このうち、海上保安庁が救助した者は134人であり、海上保安庁以外が救助した者を含めると292人が救助され(第2−4−5図参照)、救助率(自力救助を除く事故者数に対する救助された事故者数の割合)は48%(10年44%)であった。
第2−4−5図 人身事故の救助状況(11年)



A 海浜事故の救助状況
11年における、海浜事故の事故者1,796人の中で、海上保安庁は1,040人(58%)に対して救助活動を行い、これらの救助に出動させた勢力は、巡視船艇延べ1,020隻、航空機延べ322機及び特殊救難隊延べ175人等となっている。このうち、海上保安庁が救助した者は93人であり、海上保安庁以外が救助した者を含めると531人が救助され(第2−4−5図参照)、救助率は32%(10年29%)であった。
3 ヘリコプターによるつり上げ救助状況
11年の海上保安庁のヘリコプターによるつり上げ救助者数は、要救助船舶の乗船者113人、海上及び孤立した磯場等での人身事故者36人の合計149人であり、つり上げ救助を始めた31年から11年末までのつり上げ救助者数は2,931人に達した。
4 救急患者の輸送状況等
海上保安庁は、洋上の船舶、離島等において救急患者が発生した場合、必要に応じて巡視船艇、航空機による患者、医師及び医薬品等の緊急輸送を行っており、11年は救急患者178人(第2−4−6図参照)、医師75人の緊急輸送を行った。
第2−4−6図 救急患者の輸送人員の推移

このほか、海上保安庁は、無線通信により船上の患者に対する応急措置法の伝達等の医療援助を行っている。