第2章 海上交通の安全確保


T 海難防止への取り組み


 海難の発生原因では、人為的要因によるものが70%以上を占めていることから、海難防止思想の普及を図るため、全国海難防止強調運動実施期間を中心として、海上保安官の訪船による現場指導や海難防止講習会の開催などにより安全対策を講じているところである。また、海難防止の実効を期するには、海事関係者自らが主体となった活動が必要不可欠であり、海難防止を目的とする各種民間団体が中核となって、これらの活動を活発に推進することが重要である。

1 海難防止活動の推進

 要救助海難の発生原因を見ると、見張り不十分、操船不適切等の運航の過誤や機関取扱不良といった人為的要因によるものが74%を占めている。こうした要因による海難を防止するためには、海難防止思想の普及・高揚並びに海難防止に関する知識・技能の習得及び向上を図ることが有効であることから、海上保安官の訪船指導、全国各地での海難防止講習会等(11年合計941回受講者約47,000人)を通じて海難防止思想の普及等を図っているところである。また、毎年期間を定め、官民一体となって海難防止強調運動を実施し、海事関係者のみならず広く国民に対して海難防止を呼び掛けている。

 11年は、7月16日から7月31日まで、「船舶の点検・整備と航海用機器類の適正な使用」を重点項目として全国海難防止強調運動を実施し、約7,600隻に対する訪船指導や現場指導、67回の海難防止講習会等により海上交通関係法令等の周知徹底を図るとともに、安全運航の励行、危険物荷役時の安全確認等を指導し、必要に応じて是正を勧告した。

 また、各管区海上保安本部では、地域の特性を踏まえ、台風による海難、プレジャーボート等小型船舶の海難、自動操舵使用による海難等を防止するための地方海難防止強調運動を展開した。

2 海難防止団体等の指導・育成

 海上保安庁は、海難発生動向、航行環境の変化に応じた自主的活動が着実に展開されるよう各種民間団体等の育成強化に努めている。

 なお、これらの団体としては次のようなものがある。

 ア 海難防止に関する調査研究、海難防止のための周知・指導を行う団体((社)日本海難防止協会等)

 イ 港内において漂流物等の航行障害物を除去するなどの活動を行う団体(清港会)

 ウ 当事者間で、具体的な安全対策を申し合わせ、実行に移していくための連絡協議会(外国船舶安全対策連絡協議会、台風対策協議会、漁船海難防止連絡協議会等)

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