近年、水上オートバイやモーターボートによる無動力であるバナナボート等の浮体を曳航する形のマリンレジャーが増加し、これに伴う海難が、この数年間に頻発しています。下記のことに注意しましょう。


  曳航船舶の操縦者は、搭乗者に対して、被引浮体からの落水による負傷や搭乗中に乗客同士が接触し負傷する恐れがあるなど、事前に被引浮体に係る危険性を認識させた上で、救命胴衣を常時着用させるようにしましょう。


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 被引浮体の動きを把握しないまま曳航することにより、被引浮体が防波堤、他船等の障害物に衝突する危険性があることを認識し安全に操船するようにしましょう。


 被引浮体が衝突する危険性のある防波堤などが近接する海域や曳航に不適な気象条件下での海難が発生していることから、安全な遊走海域を選定し海象に応じた適切な操船とともに搭乗者の技量や体力に応じた操船をするようにしましょう。

関係リンク先(気象海象情報、水上オートバイ安全運航について等)をピックアップ


■-第十一管区海上保安本部で提供している船舶気象通報-
(伊平屋灯台、久米島灯台、中城新港における風向、風速、気圧を毎時30分毎に更新)

■-石垣海上保安部で提供している船舶気象通報-
(平久保埼灯台、西埼灯台、池間島灯台における風向、風速、気圧を毎時30分毎に更新)


■-潮汐演算-
(沖縄各地の干・満潮時情報)

■-リーフカレント情報-
(リーフカレント【珊瑚礁海域における外海への強い流れ】の仕組みや沖縄各地における危険海域情報等)

■-水上オートバイ安全運航のために-
(@事故が発生したとき
A自分自身を守るためにBマナールールの遵守・励行C被引浮体について)


平成16年8月9日:【被引浮体の曳航時における不適切な操船】(七管区 長崎)

 Aの操船する水上オートバイにゴムボートをロープでつなぎ曳航し遊走していたところ、遊走海域にある根固めブロック付近で円を描くように旋回した際、遠心力で同ボートが振れ回った勢いで、同ボートは根固めブロックに衝突、搭乗者は海中に投げ出され全身を強打したもの。搭乗者は、救急車により病院に搬送されたが、頚椎及び骨盤の骨折、脊髄損傷の重体となり、後日死亡が確認された。※搭乗者の救命胴衣の着用状況:未着用

平成17年7月:【曳航中の被引浮体の動静監視の不徹底】(六管区 尾道)

 Aの操船する水上オートバイが、B及びCを乗せたバナナボートを曳いていた際、Aが後方の状況を確認せずに増速したため曳航ロープが緊張し、Bが同ボートの握り手を離し後方にのけぞる様に倒れ、Bの後頭部とCの前頭部がぶつかり、両名とも海中に転落したもの。
 以後付近にいた友人が118番等の通報を実施。B及びCは救急車により病院に搬送され、同人らは、頭部切創等により治療が必要と診断された。
※搭乗者の救命胴衣の着用状況:着用

平成16年8月8日(日)午前11時頃 (六管区 高松)

  香川県高松市女木島海水浴場沖合い約100メートルの海上において、 水上バイクに引っ張られたバナナボート(円筒形で中に空気が入ってるゴム製の遊戯物 モーターボートや水上バイクなどで引っ張られて、その上に人が乗って遊走する乗り物)に5名が縦列に乗り、遊走していたところ、バナナボートに乗っていた人がバランスを崩し転倒した拍子に、一番前に乗っていた会社員男性(30歳)の後頭部と前から二番目に乗っていた会社員男性(20歳)の頭部付近があたり、両名が負傷しました。

平成16年7月19日 午後2時40分頃 (十管区)

  午後2時頃から、熊本県上天草市松島町天草松島西目海水浴場沖合いにて、水上バイクに男性2名、バナナボート(バナナの形をした長さ約3メートルのゴム製の乗り物)に男性2名、女性2名が乗り、水上バイクがバナナボートを引く方法で遊走を開始したところ、遊走中の同日午後2時40分頃、バナナボートに乗っていた4名が、海中に転落し、その際、お互いの体がぶつかり合い4名のうち女性2名が怪我を負い病院に搬送されました。病院に搬送された2名は、軽傷で、関係者全員救命胴衣を着用していました。


【参考事例】バナナボートによる事故 -海難審判庁判決-

水上オートバイアップルハウス被引浮体乗客負傷事件


【事故概要】
ア号:3人乗り用FRP製水上オートバイ操船者A:ア号操船者、小型船舶操縦士免許受有
被引浮体(以下「バナナボート」という。)
:直径0.65メートル長さ5.30メートルの両端が紡錘形となった黄色ビニール製。5人乗り。

(発生日時・場所)平成16年8月1日17時01分、神奈川県逗子海岸

(気象・海象)曇 南南東風 風力4 上げ潮の末期

(海難の概要)

ア号は、操船者A、後部座席に見張り員1人を乗せ、男子2名、女性2名を乗せたバナナボートを引き、遊走していた。操船者Aは、時速5キロメートル(以下「キロ」という。)ないし10キロで徐行したのち20キロに増速し、折から南南東風の風波によりバナナボートの上下動が大きくなる中を西航、その後右転し、30キロに増速し遊走していたところ乗客全員が同ボートの右舷側後方に落水し、前から2番目と3番目に乗っていた女性客同士の頭部がぶつかった。女性1人が間もなく手配された救急車により病院に搬送され、2週間の入院治療を要する外傷性脳内出血、頭蓋骨骨折等と診断された。
 操船者Aは、4年前からバナナボートの遊走を営んでいたが、乗客に泳げるか否かを尋ねたのみで、骨折をする危険な事態もあることを十分に説明しておらず、同ボートからの落水時に乗客同士がぶつかることを知っていたのに、遊走に際して救命胴衣を着用させたものの、これまで頭部に大怪我をした乗客がいなかったので大丈夫と思い、ヘッドギア等の頭部保護具を着用させる安全措置を十分にとらなかったことによって発生したものである。

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