新本部長着任のごあいさつ

第七管区海上保安本部について

新本部長着任のごあいさつ

本部長

第七管区海上保安本部
本部長 佐々木 幸男

はじめまして。さる4月1日付けで第七管区海上保安本部長を拝命しました。
私にとって「ナナカン」という言い回しには特別の響きがあり、入庁したての頃から、特別な熱量やポテンシャルを感じさせる存在でした。今や、海上保安庁(ジャパン・コースト・ガード)は世界に冠たる非軍事海上秩序維持機関あるいは包括的海上法執行機関として東南アジア諸国等からも大いに注目される存在となっており、海上保安分野での世界的な連携が進んでおりますが、海上保安庁誕生の契機となったのが、太平洋戦争敗戦後の当地における半島からの密航・密輸対策であり、さらには、消滅した帝国海軍の後を継ぎ、暗黒の海と言われるほどに荒廃した状況下、機雷処理にも従事し、日本の海の秩序回復に尽力したことにあったからです。
我が国では、古今、物事は西から動いてきました。今も昔もナナカンは海上保安業務の先駆け・中核的存在であり、そういう組織に名を連ねることができることは、まことに大いなる喜び・誉れであり、かつ、非常なる重責を感じている次第です。
業務面については、基本的に歴代の本部長が取り組んできた重要課題「水際・国境の監視警戒を怠らず、不審な人・モノや不安事象を水際で阻止し海上秩序を維持する」「我が国の海上物流の要である関門海峡の安全通航を維持する」「東日本大震災10年目の節目に自然災害等への対応能力を強化する」を着実に遂行していく所存です。
幸いにも優秀な職員が数多く揃っておりますので、彼ら・彼女らが十分に能力を発揮できるよう環境整備に努め、ともに成長していきたいと考えております。
昨年、ナナカンが対応した事案では、8月の前線に伴う大雨において、陸域の被害ではありましたが、海上保安庁の機動力を存分に活かし、孤立者5名を救助しました。また、12 月には、関係機関と連携して薬物密輸事犯の容疑者を逮捕しております。
このような様々な課題に対応すべく、本年4月1日から北九州航空基地の運用が開始となり、さらには航続距離が長いファルコン 2000 が就役しました。これにより、24 時間体制でより広域な海上保安業務の遂行が期待できます。また、ここ七管区の地で建造を進めてきた大型巡視船等が本年度も新たに進水・就役する予定であり、海上における安心・安全の確保に万全を期してまいります。
現在、新型コロナウイルスによって国難とも言い得る大災厄に遭遇しておりますが、海空陸職員一同、感染防止に努めるとともに、隙のない業務遂行を継続し、安全で豊かな日本の海、北部九州の海を全力で守り抜く所存です。
どうぞ引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

自己紹介

徳島県に生まれ育ちました。近くには四国お遍路の一番寺があります。
海上保安大学校卒業後は関西以北での勤務が続き、九州は今回が初めてです。前任地は東北の海を管轄する第二管区海上保安本部でした。宿舎のあった宮城県多賀城市は「西の太宰府、東の多賀城」とも言われ、古代、律令国家の国府が置かれ、東域における軍事や行政を担っていました(国府多賀城の海運水運の拠点として発達したのが本部所在地の塩釜港)。今回の異動にひとり奇縁を感じている次第です。
きわめて個人的なことで恐縮ですが、伯父は、生前、門司と大連を結ぶ汽船に勤務しておりました(その後、乗船していた陸軍徴用船が南洋で撃沈され行方不明。佐世保海兵團にも在籍)。また、祖父は、終戦直前に乗り損ねた下関から釜山向けの旅客船が米軍の魚雷で撃沈され命拾いをしており、80年近い時を隔ててはいますが、七本部の辺りには特別の雰囲気を感じてます。また、管轄外ではありますが、大叔父は知覧から出撃し沖縄上空で戦死しています。これといって趣味のない単身生活、ウォーキングやジョギングがてら街々や山野をぶらぶらすることが好きなので、美しい自然、豊かな文化や歴史に浸りつつ、これら親族の軌跡を辿れればと思っています。