問い合わせ先
警備救難部救難課
  課長補佐  三矢  哲司(人身事故担当)
            昼間 03-3591-6361(内線5901)
    昼・夜間共通 03-3581-2828
交通部企画課企画調査室
  主任企画調査官  青木 敏博(海難担当)
            昼間 03-3591-6361(内線6202)
            夜間 03-3591-9807
平成17年2月25日
海上保安庁
平成16年における海難及び人身事故の
発生と救助の状況について(確定値)
 このたび、「平成16年における海難及び人身事故の発生と救助の状況」をまとめました。
 本年1月14日に速報値を発表していますが、その後詳細調査が完了しましたので、確定値として発表します。

※「海難」とは、海上における船舶に衝突、乗揚、転覆、浸水、その他安全な運航が阻害された事態が生じた場合をいう。
※「人身事故」とは、海難によらない乗船者の負傷、病気等の事故及び海浜等で発生した負傷、溺水、車両の海中転落等の事故をいう。


1.  海難船舶隻数は2,883隻(平成15年に比べ150隻増加)、海難による死亡・行方不明者数は155人(15年に比べ5人増加)。

2.  台風下の海難が247隻(平成15年に比べ155隻増加)発生、これに伴う死亡・行方不明者は36人(15年に比べ25人増加)

3.  人身事故者数は2,859人(平成15年に比べ94人増加)、このうち死亡・行方不明者数は1,416人(15年に比べ47人増加)

4.  118番で通報(第1報)を受けたものは、海難において全体の36%(1,030隻)、人身事故において17%(499人)。このうち携帯電話を使用した通報は海難において69%、人身事故において49%。


T 海難発生・救助状況

1.発生状況
海難船舶隻数は平成15年に比べ150隻増加【資料第I−1表、第I−1、3、5図参照】
  • 海難船舶隻数は2,883隻(平成15年に比べ150隻増)であり、過去10年で最多。
    (過去10年間の平均海難船舶隻数:2,572隻/年)
  • 用途別では漁船が995隻(63隻増)で最多。以下、プレジャーボート983隻(22隻増)、貨物船405隻(40隻増)と続く。
  • 漁船(995隻)、プレジャーボート(983隻)及び遊漁船(143隻)で全体の約4分の3を占める。
  • 海難種類別では衝突が1,007隻(35隻増)で最多。以下、機関故障が377隻(38隻増)、乗揚が333隻(23隻増)と続く。
  • 台風下における海難は247隻(155隻増)。海難種類別にみると浸水が65隻(全体172隻の約4割)、転覆が60隻(同210隻の約3割)、及び安全阻害が39隻(同103隻の約4割)。247隻のうち無人係留船の浸水、転覆等が166隻(106隻増)を占める。
※  「プレジャーボート」とは、スポーツ又はレクリエーションに用いられるヨット、モーターボート等の船舶の総称をいう。
※  括弧内に記した増減は平成15年との比較を示す(以下同様)。
海難に伴う死亡・行方不明者数は5人増加【資料第I−1表、第I−1、8、10図参照】
  • 海難に伴う死亡・行方不明者数は155人(5人増)。
  • 用途別では、漁船が58人(29人減)で最多。次いで、貨物船が53人(38人増)。
  • 台風下においては、貨物船が30人(30人増)、漁船が4人(7人減)及びプレジャーボート2人(2人増)の計36人。
  • 海難種類別では、転覆が53人(1人増)で最多。次いで衝突が36人(3人減)。
海難に伴う負傷者数は125人増加【資料第I−13〜16図参照】
  • 海難に伴う負傷者数は433人(125人増)。
  • 用途別では、プレジャーボートが160人(48人増)で最多。
  • 海難種類別では、衝突が285人(94人増)で最多。次いで、乗揚が43人(4人減)。
漁船の海難は増加。死亡・行方不明者数は減少【資料第I−3、8、17図参照】
  • 漁船の海難は995隻(63隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は58人(29人減)。
  • 台風下における海難は57隻(38隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は4人(7人減)。57隻のうち無人係留船の浸水、転覆等は42隻(29隻増)。
  • 外国漁船の海難は18隻(2隻増)、これに伴う死亡・行方不明者はなかった(30人減)。
プレジャーボートの海難は増加。死亡・行方不明者数は前年並み。 【資料第I−3、8、17図参照】
  • プレジャーボートの海難は983隻(22隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は29人(2人減)。
  • 台風下における海難は97隻(61隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は2人(2人増)。97隻のうち無人係留船の浸水、転覆等は90隻(58隻増)。
貨物船の海難は増加。死亡・行方不明者数も増加【資料第I−3、8、17図参照】
  • 貨物船の海難は405隻(40隻増)。これに伴う死亡・行方不明者数は53人(38人増)。
  • 台風下における海難は26隻(25隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は30人(30人増)。
タンカーの海難及び死亡・行方不明者数は前年並み【資料第I−3、8、17図参照】
  • タンカーの海難は104隻(2隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は3人(1人減)。
遊漁船の海難は増加。死亡・行方不明者数は前年並み【資料第I−3、8、17、22図参照】
  • 遊漁船の海難は143隻(53隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は4人(2人増)。
  • 衝突が59隻(19隻増)で最多、次いで乗揚が17隻(9隻増)。
  • 台風下における海難は20隻(16隻増)であり、すべて無人係留船の浸水、転覆等。
旅客船の海難は前年並み。死亡・行方不明者数は増加【資料第I−3、8図参照】
  • 旅客船の海難は62隻(3隻増)、これに伴う死亡・行方不明者数は5人(5人増)。
海難原因の4分の3は、人為的要因【資料第I−18図参照】
  • 海難全体では、人為的要因を原因とするものが4分の3を占める。
  • 漁船では、見張不十分を原因とする衝突が最も多く、次いで、機関取扱不良を原因とする機関故障が多い。
  • プレジャーボートでは、機関取扱不良を原因とする機関故障が最も多く、次いで見張不十分を原因とする衝突が多い。
  • 貨物船では、操船不適切及び見張不十分を原因とする衝突が多い。
  • 遊漁船では見張不十分を原因とする衝突が多い。
  • 外国船舶では、操船不適切及び見張不十分を原因とする衝突が多い。
1,000トン以上の船舶の海難の約7割は、外国船舶【資料第I−31図参照】
  • 海難船舶全体に占める外国船舶の割合は9.6%(277隻)で、平成15年の9.7%(264隻) とほぼ同じ。
  • 外国船舶の海難は日本船舶に比べ、機関故障の割合が高い。
  • 総トン数1,000トン未満で見ると、海難船舶隻数全体に占める外国船舶の割合は3%(2,593隻中78隻)で、平成15年の4%(2,496隻中92隻)から1%の減少。
  • 総トン数1,000トン以上で見ると、海難船舶隻数全体に占める外国船舶の割合は約69%(290隻中199隻)で、平成15年の約73%(237隻中172隻)から4%の減少。
全海難の約35%は東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海において発生【資料第I−34図参照】
  • 全海難2,883隻のうち、約35%の1,023隻は東京湾(160隻)、伊勢湾(59隻)及び瀬戸内海(804隻)において発生。
  • 用途別にみると、貨物船190隻(貨物船全体の47%)、タンカー58隻(タンカー全体の56%)及び旅客船31隻(旅客船全体の50%)の海難がこの3海域で発生。

2.救助状況
船舶の救助率は横ばい【資料第I−2表参照】
  • 救助隻数は、平成15年に比べ106隻増の1,545隻
  • 救助率は81%で、平成15年に比べ2ポイント減
  ※ 救助率(%)={救助された船舶/(海難船舶−自力入港した船舶)}×100
海難船舶の乗船者の救助率は高い値を維持【資料第I−2表参照】
  • 海難船舶の乗船者の救助者数は904人増の5,361人
  • 救助率は97%で、平成15年と同数
  ※ 救助率(%)={救助された乗船者/(海難船舶の乗船者−自力救助の乗船者)}×100
海難の約36%は118番通報により第1報を入手
  • 118番により第1報を入手した海難船舶隻数は、平成15年に比べ33隻増の1,030隻で、割合は同数の36%
  • 118番による通報では、当庁が1時間以内に情報を入手した割合が、平成15年と同数の75%(118番以外による通報では54%)と高く、118番は海難情報の早期入手に有効に機能
  • 118番により通報を受けた中で、携帯電話を使用したものは1,030隻中713隻で、平成15年に比べ1ポイント減少の69%。

U 人身事故発生・救助状況

1.発生状況
海難によらない乗船者の人身事故は、事故者数、死亡・行方不明者数とも平成15年に比べ増加【資料第U−1表、第U−1図参照】資料
  • 海難によらない乗船者の人身事故者数は、平成15年に比べ36人増の953人、このうち死亡・行方不明者数は16人増の312人
※  海難によらない乗船者の人身事故」とは、海難以外の事由により発生した船舶の乗船者の事故をいう。
海難によらない乗船者の人身事故による死亡・行方不明者数は、船舶からの海中転落がもっとも多く、そのうち漁船の乗船者が多い【資料第U−1表、第U−3表、第U−2図、第U−3図参照】
  • 海難によらない乗船者の人身事故者数を事故内容別に見ると、負傷が420人(44%)でもっとも多く、次いで病気240人(25%)、海中転落213人(22%)の順
  • 事故内容別の死亡・行方不明者数は、海中転落が143人(46%)でもっとも多く、次いで病気76人(24%)、負傷42人(13%)の順
  • 海中転落の用途ごとの内訳は、漁船がもっとも多く139人(65%)、次いでプレジャーボートが33人(15%)、貨物船15人(7%)の順となっており、そのうち死亡・行方不明者は、漁船がもっとも多く99人(69%)、次いでプレジャーボートが16人(11%)、貨物船11人(8%)の順
※  事故内容を「海中転落」「負傷」「病気」「中毒」「自殺」「その他」に分けて集計
マリンレジャーに伴う海浜事故者数は、平成15年に比べ大幅増加【資料第U−1表、第U−4図参照】
  • マリンレジャーに伴う海浜事故者数は、平成15年に比べ95人増の835人で、大幅増加
  • 死亡・行方不明者数は、平成15年に比べ46人増の306人
※  「マリンレジャーに伴う海浜事故」とは、海浜等でマリンレジャー活動中に遭った事故をいう。
マリンレジャーに伴う海浜事故者数の事故内容は、遊泳中がもっとも多く、平成15年に比べ大幅増加【資料第U−1表、第U−5図参照】
  • マリンレジャーに伴う海浜事故者数を事故内容別に見ると、遊泳中が320人(38%)でもっとも多く、次いで釣り中243人(29%)、磯遊び中89人(11%)の順
  • 事故内容別の死亡・行方不明者数は、遊泳中が116人(38%)でもっとも多く、次いで釣り中109人(36%)、磯遊び中50人(16%)の順
  • 遊泳中の事故者数は、平成15年に比べ82人増であったが、死亡・行方不明者数は12人増で、事故者に対する死亡・行方不明者の割合は44%から36%に8ポイント減少
※  事故内容を「遊泳中」「磯遊び中」「釣り中」「サーフィン中」「ボードセーリング中」「スキューバダイビング中」「ウェイクボード中」「その他」に分けて集計
マリンレジャー中の事故者は、約半数が土及び日曜日に発生【資料第U−7図参照】
  • マリンレジャー中の事故者は、事故者総数835人のうち、土曜及び日曜日に422人(51%)が事故に遭っている
釣り中の事故者のうち、ライフジャケット着用者の生存率は、未着用者の生存率に比べ大幅に高い【資料第U−8図参照】
  • 釣り中の事故者では、ライフジャケットを着用していた65人の生存率が75%(49人)であった一方、ライフジャケットを着用していなかった178人の生存率は、48%(85人)
釣り中の事故原因は、転倒がもっとも多い【資料第U−9図参照】
  • 釣り中の事故原因は、転倒がもっとも多く(50%)、次いで孤立(18%)、波に引き込まれる(16%)となっている
マリンレジャー以外の海浜事故の事故者数は、平成15年に比べ減少【資料第U−1表、第U−11図参照】
  • マリンレジャー以外の海浜事故者数は、平成15年に比べ37人減の1,071人
  • 死亡・行方不明者数は、平成15年に比べ15人減の798人
※  「マリンレジャー以外の海浜事故」とは、海浜等でマリンレジャー以外の活動中に遭った事故をいう。
※  事故内容を「岸壁等からの海中転落」「自殺」「その他」に分けて集計

2.救助状況
救助率はほぼ横ばい【資料第U−2表参照】
  • 海難によらない乗船者の人身事故の救助者数は、平成15年に比べ73人増の383人、救助率は4ポイント増の55%
  • マリンレジャーに伴う海浜事故の救助者数は、平成15年に比べ2人増の439人、救助率は4ポイント減の59%
  • マリンレジャー以外の海浜事故の救助者数は、平成15年に比べ11人減の226人、救助率は1ポイント減の22%
118番通報により情報を入手した割合が増加
  • 118番により第1報を入手した事故者数は、平成15年に比べ5人増の499人で、割合は1ポイント減の17%
  • 118番による通報では、当庁が1時間以内に情報を入手した割合が、平成15年に比べ1ポイント増の66%(118番以外による通報では50%)と高く、118番は事故情報の早期入手に有効に機能
  • 118番により通報を受けた中で、携帯電話を使用したものは499人中246人で、平成15年に比べ8ポイント減少の49%。