問い合わせ先
  海上保安庁交通部整備課
      課長補佐 小出憲博
TEL 03-3591-6361(内線6701)
    03-3591-7913(夜間直通)
平成16年7月21日
海上保安庁

当てないで! ブイはあなたの命です
ー 船舶接触事故防止について ー

 海上保安庁では、7月16日から31日までの間、全国海難防止強調運動を実施しています。航路側端や可航水域の方位等を示すことで海難防止に役だっているブイ(灯浮標・浮体式灯標)ですが、そのブイへの船舶接触事故が跡を絶ちません。そこで近年、見やすい航路標識とするため、灯浮標から浮体式灯標への変更や、発光ダイオード(LED)を用いた灯火及び同期点滅方式の導入を推進し、視認性の向上を図ってきた結果、過去5年間の船舶接触事故件数は減少してきました(図1)。
 しかし、今年度に入り4月から現在までの事故件数は29件と、昨年度の同時期(図3)より8件も増加しております。このまま推移すると近年で最悪の状態が考えられるため、事故防止の徹底をお願いします。
 ブイは航海者の安全を守る標識です。船舶接触により沈没、位置ずれ、消灯したブイは障害物そのものであるため、海上交通に多大な影響を及ぼします。健全な海上交通環境を維持するため、ブイに接触した場合やブイの損傷等を発見した場合には、最寄りの海上保安部署または118番に通報していただきますようご協力をお願いします。

灯浮標の事故事例

灯浮標の事故事例
中城湾口灯浮標(沖縄)

浮体式灯標の事故事例

浮体式灯標の事故事例
若松航路第七号灯標(福岡)


1 灯浮標等への船舶接触事故発生状況


 海上保安庁では、港湾、航路、狭水道、浅瀬などに灯浮標及び浮体式灯標等を全国に1,444基設置し、船舶の安全運航を援助しておりますが、毎年多くの船舶接触事故の被害を受けており、平成15年度は灯浮標で69件、浮体式灯標で11件、あわせて80件発生しました。(前年度比2件減)
 加害船の判明状況は、加害船からの自己申告が僅か21件(26%)であり、当庁で捕捉した19件(24%)を除いた残り40件は、加害船が不明である「当て逃げ」となっています。

過去5年間の船舶接触事故件数の推移

 過去5年間の事故発生件数はゆるやかに減少傾向を示しており、後述する灯浮標等の視認性向上の整備がこの減少に寄与していると思われます。

船舶接触事故件数(海域別) 船舶接触事故件数(月別)

 海域別にみると、多数の主要航路が存在する瀬戸内海で5割近くの38件が発生しており、これに北部九州、東京湾、伊勢湾及び大阪湾の各海域を加えると9割以上の74件を占め、輻輳海域に事故が集中していることがわかります。
 月別にみると、4月と12月〜2月にかけて事故件数が多くなっており、4月は操船者の入れ替わりおよび霧の発生初期であることが、12月〜2月は冬型の気圧配置による厳しい海象のため操船が難しくなることが事故の多発する要因と考えられます。


2 灯浮標等の視認性向上


 海上保安庁では、「見つけやすいブイ」「見失わないブイ」を目的として、下表のとおり、@発光部に省電力で点滅が明瞭となるLED(発光ダイオード)の採用、A航路ブイを連動して点滅させる、B動揺が少なく灯りが安定する浮体式灯標へ変更するなど、視認性を向上させる整備を推進しています。

視認性向上の整備状況
年度 LED化 同期点滅化 浮体式灯標化
H10 100基   57基
H11   84基   33基
H12   72基   31基
H13 144基   29基     1基
H14 229基 143基   64基
H15 170基   55基   37基
H16 145基(予定)   19基(予定)     4基(予定)

 さらに、航路の中心等の安全水域に設置している標識については、高速化する船舶が灯浮標等の灯りを見失わないよう、下図のように点滅サイクル(灯質)の見直しをすすめており、平成15年度は瀬戸内海西部海域などで実施しました。引き続き今年度は瀬戸内海東部海域などで実施します。


点滅サイクルの見直し