安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた 灯台等建築の歩みを物語る近代化産業遺産群

(経済産業省認定)



灯台以外に近代化産業遺産群の認定を受けた灯台関係の施設
明治期の灯台巡視船「明治丸」(東京都:東京海洋大学) 旧「品川灯台」(愛知県:博物館明治村)
旧「菅島灯台吏員退息所」(愛知県:博物館明治村) 旧「小那沙美島灯台」(愛知県:博物館明治村)
旧「霧砲」(愛知県:博物館明治村) 旧「台場鼻潮流信号機」(愛知県:博物館明治村)
旧「霧笛蒸気機関」(愛知県:博物館明治村) 旧「神島灯台レンズほか」(愛知県:博物館明治村)
旧「堺灯台」(大阪府) 旧「和田岬灯台」(兵庫県)
旧「伊王島灯台灯台吏員退息所」(長崎県)   

 明治初期、西洋諸国からの要求及び殖産興業・海運振興のため、莫大な国費を投入し外国人技師の指導・監督の基、大型船舶の航路に沿って洋式灯台を建設しました。

 これら洋式灯台の建設は、日本人技師にとっても土木・建築等の分野に関る最新技術を学ぶ貴重な機会となりました。

 このように、灯台建設は航海の安全と海運振興に寄与しただけでなく、土木・建築の西洋技術を我が国にもたらし、各分野での近代化に大きな役割を果たしました。




 西洋灯台建設の始まり

 慶応2年(1866年)、当時の江戸幕府とイギリス・フランス・オランダ・アメリカの4ヶ国との間で締結した改税約書(江戸条約書)にもとづき、各国と協議し次の10箇所に西洋式灯台を設置することを決定しました。

  1  相模国(神奈川県) 剣崎
   2  相模国(神奈川県) 観音埼
   3  安房国(千葉県)   野島崎
   4  伊豆国(静岡県)   神子元島
   5  紀伊国(和歌山県) 樫野埼
   6  紀伊国(和歌山県) 潮岬
   7  大隈国(鹿児島県) 佐多岬
   8  肥前国(長崎県)   伊王島
   9  武蔵国(神奈川県) 本牧
  10  渡島国(北海道)   函館


 西洋灯台建設その2

慶応3年(1867年)江戸幕府は、兵庫開港(神戸港)にそなえて、イギリスと次の5箇所に灯台を設置することを約定しました。(大阪約定)

  1  由良    (和歌山県;友ケ島)
   2  明石    (兵庫県淡路島:江埼)
   3  兵庫    (兵庫県神戸市:和田岬)
   4  下関内外 (福岡県北九州市:部埼)
   5  下関内外 (山口県下関市:六連島)


 西洋式灯台を建設した外国人技師

 明治政府は、江戸幕府が各国と締結した約定を引き継ぎ外国人技師を雇い灯台の建設を行いました。
 明治元年に、フランス人技師フランソワ・レオンヌ・ヴェルニーが東京湾近傍の4箇所(観音埼、野島埼、品川、城ヶ島)の灯台を建設しました。
 その後、同じく明治元年にイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが雇われ灯台建設に従事しました。
 ブラントンは灯台建設ため日本全国を調査し、適地の選定、測量、設計、工事監督などを務め、任期が切れる明治9年(1876年)までに30基の灯台を建設しました。

★フランス人技師フランソワ・レオンヌ・ヴェルニーは、横須賀製鉄所(造船所)の建設にも従事していました。
★イギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンは、灯台事業創設のため、種々の施設や制度も整備しました。


 日本の西洋式灯台を保守・管理していた外国人

 明治初期、灯台に使用された機器類は外国からの輸入品でした。
 これら機器類の取り扱いに熟知し、灯台保守にも熟練している技能者が必要なため、イギリスから灯台保守要員を雇い灯台の運用を行っていました。
 雇われた灯台保守要員の外国人は多いときで25名にもなり、神子元島灯台、御前埼灯台、角島灯台などで灯台の保守を行うとともに、日本人に灯台の保守・管理業務などを指導していました。


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