- 【 pH 】
-
- 溶液中の水素イオン濃度を示す尺度で、酸性、アルカリ性の度合いを示します。
| pH 0〜7 |
酸性(数値が小さいほど酸性の度合いが強くなります。) |
| pH 7 |
中性 |
| pH 7〜14 |
アルカリ性(数値が大きくなるほどアルカリ性の度合いが強くなります。) |
- pHの急激な変化は、酸、アルカリ等の有害物質の混入などの異常があったことを推定させます。pHが6.5〜8.5の範囲から出ると、河川の生産性が低下し、水処理にも悪影響が出るといわれています。
水道用水として望ましい水質は、pH6.5〜8.5までとされています。
- 【 BOD 】
-
- Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)の略
- 有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、水中の汚濁物質が20°Cで 5日間のうちに微生物により酸化分解される課程で消費される酸素量のことで、単位は mg/l(水1リットル当たり消費される酸素のミリグラム数)で表します。
- BODが高い(数値が大きい)ことは、その水の中に微生物により分解されやすい有機物が多いことを意味し、これが河川に流入すると、河川の水の中に溶けている酸素(溶存酸素(DO)という)を多量に消費し、魚介類に被害を及ぼします。
- 人為的な汚染のない河川では通常 1mg/l 以下です。
ヤマメ、イワナ、などの清水性魚類は 2mg/l 以下、アユ、マスなどは 3mg/l 以下、コイ、フナなどは 5mg/l 以下が適当といわれています。
5mg/l を超えるとコイやフナでも生息が困難となり、10mg/l 以上になると有機物が腐敗、分解し、臭気を発生することがあります。
- 水質汚濁の環境基準では、河川の利用目的に応じて 1〜10mg/l 以下の範囲で 6段階に分けて定められています。
- 【 COD 】
-
- Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)の略
- BODと同じように、主として有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、水中の汚濁物質を100°Cで酸化剤(過マンガン酸カリュウム)で酸化するときに消費される酸素量(単位は mg/l(水1リットル当たり消費される酸素のミリグラム数))で表します。この値が大きいほど汚濁が進んでいることを意味します。微生物により酸化分解される有機物質とそうでない有機物質の区別ができないためBODとは異なった値を示します。
- 水質汚濁の環境基準は、利用目的に応じて、湖沼では 1〜8mg/l 以下、海域では 2〜8mg/l 以下と定められています。
- 【 SS 】
- suspended solids(浮遊物質量)の略
- 粒径 2mm以下の、水に溶けない懸濁性の物質のことをいいます。一定量の水をとって濾過したあと、残留物を乾燥してその重量を測り、それを水中の濃度(mg/l)で表したものです。
- 浮遊物質には無機質のものと有機質のものとがあり、数値が大きいほど水質汚濁が著しいことを示します。
- 浮遊物質は、単に水質汚濁の原因となるだけでなく、河川に汚でい床を形成したりまた、有機質の場合には腐敗し、水の中に溶けている酸素(溶存酸素(DO))を消費します。更に魚類のえらに付着してへい死させたり、光の透過を妨害し、植物の光合成に障害を与えたりします。
- 水質汚濁の環境基準では、河川及び湖沼の利用目的に応じて 25mg/l 以下、50mg/l 等の4段階に分けて定められています。
【 DO 】
- Dissolved Oxygen(溶存酸素量)の略
- 水中に溶けこんでいる酸素量のことをいい、単位は mg/l で表します。
- 一般に清浄な河川では、DOはほぼその温度での飽和値(0℃、1気圧で 14mg/l 程度で、温度が上がるにつれて数値が低くなり、25℃では 8mg/l 程度になります)に達していますが、有機物などで汚濁されている水では、水中の微生物が有機物を酸化分解し、酸素を消費するため、DOの値は低くなり、ひどいときには 1mg/l 以下になることもあります。(BODやCODとは逆に数値が低いほど、汚染が進んでいることを表します。)
- コイのような腐敗物を食用とする魚などはDO 2〜3mg/l の水中でも生息できるが、普通の魚では、DOが永続して 4〜5mg/l 以下になると生息できないといわれています。
- 水質汚濁の環境基準では、河川等の利用目的に応じて、7.5〜2mg/l 以上と定められています。
【生活排水】
- 私たちの日常生活に伴って排出される汚水で、浄化槽、台所のほか、洗濯、風呂等から排出されるものをいいます.
- 最近は、河川や海の汚染に占める生活排水の割合が高 くなっています。
【生活環境項目】
- 水質汚濁に係る環境基準において、生活環境を保全するために基準が定められているpH(ピーエッチ)、BOD(ビーオーディー)を始め9項目のことを言います。
- 生活環境項目は、河川、湖沼及び海域によってそれぞれ若干異なり、次のとおりとなっています。
区分 |
河川 |
湖沼 |
海域 |
|
pH
BOD
SS
DO
大腸菌群数 |
pH
COD
SS
DO
大腸菌群数
全窒素
全燐 |
pH
COD
DO
大腸菌群数
n−ヘキサン抽物物質(油分等)
全窒素
全燐 |
【大腸菌群数】
- 人や動物の糞便中には大腸菌が多く存在するため、これを測ることにより糞便による汚染の程度を知ることができます。
- 大腸菌群には、人や動物の腸内に生存している大腸菌と水中、土壌など広く自然界に分布している細菌とがありますが、それぞれ分離することが困難であるため、一括群としています。大腸菌群が検出された場合には、赤痢菌、チフス菌等他の病原菌の存在が疑われます。
- 大腸菌群数は、水質汚濁の環境基準では50〜5000MPN/100ml以下、水質汚濁防止法の排水基準では3000個/立方センチメートル(日間平均)とされています
※MPN:Most Probable Number(最確数)の略。大腸菌群数を調べるには、直接その数を数えることなく、統計的確率から割り出した「大腸菌群数最確数表」を使って読みとる場合があり、MPNとはこれを使って読みとった大腸菌群の数のことをいいます。
【N−ヘキサン抽出物質(油分等)】
- 油脂、ワックス、グリースなど酸性でノルマルヘキサンにより抽出される物質の総称で、通常「油分等」といわれており、鉱油、動植物油等の量を表す指標として使われています。
- 石油系油分による異臭魚の発生、ノリ漁業の被害、海水浴場の環境悪化等があり、水質汚濁の環境基準では、異臭魚に着目して海域において「検出されないこと」と定められています。
- 水質汚濁防止法第3条第1項及び第3項による排出基準では、ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、鉱油類にあっては2〜5mg/l以下、動植物油脂類にあっては5〜30mg/l以下とされています。
【全窒素】
空気中に約80%含まれる物質でありそれ自体は無 害ですが、水中の栄養塩類としては閉鎖性水域の富栄 養化の原因になる物質の一つです。水域の栄養塩類は、生活排水、工場排水などにより供給され、藻類などの植物性プランクトンの著しい増殖の原因となり、汚濁物質が内部生産され、さらに赤潮やア オコ、青潮(苦潮)の発生原因となります。物質循環では、溶存態の無機と有機窒素及び懸濁態窒素に区別して、これら全てを全窒素と呼びます。
【全燐】
窒素とともに、水中の栄養塩類として閉鎖性水域の富栄養化の原因となる物質の一つです。窒素と同様に、溶存態の無機と有機及び縣濁態燐に区別され、これら全てを全燐と呼びます。生活排水、工場排水、農業排水などにより閉鎖性水域に供給され、栄養塩類の増加による富栄養化を引き起こします。
【富栄養化】
- 富栄養化という言葉は、元来湖沼学で用いられてきた専門用語で窒素、燐等の栄養物質の含有量が少なく、生物生産性が低い湖沼(貧栄養湖といいます。)が長い年月の間に栄養物質の豊富な生物生産性の高い湖沼(富栄養湖といいます。)へと次第に変遷していく現象のことをいいます。
- 貧栄養湖が富栄養化する速度は人為的な汚染のない自然界では非常にゆっくりしたものですが、人間活動により大量の栄養物質が流入するようになると、急激に進行します。
- 近年、海域でも同様の現象が起きており、特に内湾のような閉鎖性水域では、プランクトンの異常増殖や水質悪化をひきおこし、また異常増幅したプランクトンの死骸が堆積、腐敗することにより、海底付近の酸素が消費されるため、底層生物にも大きな影響を与えています。
【赤潮】
- プランクトンが一時に急激に異常繁殖し、海面が赤色又は赤かっ色になる現象のことをいいます。
- 赤潮は、海洋沿岸や河川の注ぐ湾内において、[1]降雨の後、[2]日射が強く、[3]水温が高く、[4]栄養塩類が多い等の条件が重なった時に発生しやすいと言われています。
最近の赤潮多発の原因は、工場排水や生活排水の流入により、沿岸や内湾域が富栄養化したためとも言われています。
- 赤潮のプランクトンとしては、ケイ藻類、べん毛藻類、せん毛虫類などが知られていますが、このうちべん毛藻類による赤潮の被害が一番大きいと言われています。
【苦潮(青潮)】
苦潮とは青潮とも言われ、海水の低層に分布する極端に酸素の少ない水の塊(貧酸素水塊)が海面に浮上し、海面の色が乳白色を帯びた青色又は緑色を呈する現象を言います。
【75%水質値】
年間の日間平均値の全データー(n個)をその小さいものから順に並べた時、0.75×n(整数でない場合は直近上位の整数)番目にくるデータ-のことを言います。
例えば、次の11個のデータ-があった場合には、
1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、2.2、2.3、2.4、2.5、3.0(mg/l)
0.75×11=8.25 切り上げて9
小さい方から数えて9番目のデータ-すなわち2.4mg/l
が75%水質値です。
河川のBOD(生物化学的酸素要求量)や海域COD(化学的酸素要求量)について、環境基準地点において、年間を通じて環境基準に適合していたか否かを判断する場合に、この75%水質値を使います。
【上乗せ基準】
- 大気汚染防止法又は水質汚濁防止法で定める排出基準(排水基準)に代えて適用される排出基準(排水基準)です。
- 上乗せ基準は、都道府県が条例で定めることとされており、同基準は、法の定める基準によっては当該都道府県の自然的社会的条件から判断して、人の健康を保護し、又は生活環境を保全する上で十分でないと認められる場合に、法の基準で定める許容限度よりも厳しい許容限度を定めるものです。