平成20年4月1日から、船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令(平成19年3月30日付国土交通省交通省令第29号)が交付され、航行中の小型漁船に一人で乗船している漁ろうに従事している者に対する小型船舶用救命胴衣等の着用義務範囲が拡大されました。
しかしながら、法律施行後も”漁船でのひとり乗り航行・漁労中”でありながら救命胴衣未着用の方が未だ多くおります。 その結果、操業中海中に転落し溺死するといった事例があとを絶ちません。
確かに、天候が悪かったり海が荒れていたりすることも、転覆や海中転落の大きな原因なのでしょうが、そういう状況に陥った際の備えについては、まさに事故に遭遇した方の常日頃の意識の問題です。
『備えあれば憂いなし!』とはよく言ったものです。 当部がこれまで扱った海難事故の中には、「救命胴衣さえ着用していれば..」と悔やまれる事故が多数あります。 ひとたび事故が起き尊い人命が奪われることになれば、ご家族や回りの友だちが悲しむだけで終わりません。
漁協の方々や付近を航行している船舶がみな捜索などに参加することになり、大きな時間と労力が必要になり回りの方に多大なご迷惑をお掛けすることにもなります。
船に乗船する方々は、自らが海難防止に関する意識を向上させるため努力しなければなりません。こういった事故を未然に防ぐために、次の事項をご自身の状況に照らし、自ら海難事故防止に努めてください。
(下田海上保安部からのお願いです。)
- 救命胴衣を常時着用していますか?
- 船に同乗する方全員が救命胴衣を常時着用していますか?
- 救命胴衣を船に搭載しているから着用するか否かは自分の勝手だと思っていませんか?
- あなたが命を落としたら、ご家族が悲しみに打ちひしがれることを考えたことがありますか?
- 「俺に限って事故には遭遇しない..」などとたかをくくっていませんか?
- 海に落ちてから、衣類を着たままで1時間以上水面に浮いていられる自信はありますか?
- 漁師さんはプロだから救命胴衣着用の必要がないなどと思っていませんか?
- 救命胴衣を常時着用するのが格好悪いなどと思っていませんか?
- 救命胴衣が自分の命を守る重要な救命器具という認識を持っていますか?
- 海で海難事故に遭遇した際に、誰かがすぐに助けに来てくれると思っていませんか?
- 救命胴衣未着用が原因で溺死してしまった海難を見て、気をつけようと思いますか?
- プロだからこそ救命胴衣を常時着用し一般の方々のお手本となろうと思いませんか?
- 船の点検は実施しましたか?
- 出漁時の天候や、その後の天候予測などを事前に確認しましたか?
※上記の事項は、ほんの一例に過ぎません。 コンパクト常時着用型の救命胴衣は少々高価ですが、尊い命には代えられません。 いち早く救命胴衣の常時着用を実施していただき船出の際には気象海象にも十分に注意を払いましょう。